1988 Fiscal Year Annual Research Report
電場励起による発光中心へのエネルギー遷移と発光中心の結晶学的研究
Project/Area Number |
63604027
|
Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
伊吹 順章 摂南大学, 工学部, 教授 (30168489)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 建 三菱電機, 材料研究所, 参事
大西 秀臣 愛媛大学, 工学部, 助教授 (60036423)
河村 隆夫 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80081280)
|
Keywords | 電場発光 / 発光中心 / エネルギー遷移 / レアアース / ZnS / CaS / LaPO_4 / スパツタ法 / ECRプラズマ法 / 〓膜ELセル |
Research Abstract |
本研究は電場発光による発光現象について、励起エネルギーがどのような径路で発光中心に移るか、発光中心の結晶学的構造がどのような場合に発光が強くなるかを明らかにすることにより、電場励起による発光の機構及び成膜条件と発光特性を正確に把握することを目的とし、併せて電場発光による発光効率の向上を図らんとするものである。 本年度はスパツタ法により作製した〓膜の成膜条件と発光の特性との関連を中心に基礎研究を進めた。まず高周波スパツタ法による緑色発光ZnS:Tb層の作成について系統的な研究を行い、アルゴンとヘリウムの混合ガスがスパツタガスとして最適であるとの知見を得、ガス圧を変えた時の〓膜の結晶性と発光効率との関連を調べた。その結果、〓膜の結晶性と発光特性との間に深い相関があり、結晶性を改善することにより電場発光の効率が向上すると結論できた。次に新材料として注目されているアルカリ土類硫化物についても、低温基板上に良質の〓膜を形成できるスパツタ法により赤色発光CaS:Eu蛍光体の〓膜化を行った。その結果電場発光用には化学的に安定な絶縁層が下地として必要であること、スパツタガス中に硫化水素を添加すると共に発光層上に酸素フリーの絶縁層を形成しなければならないことが判明した。また銅で同時付活すると発光が増減することも見出し、その原因として発光層中を移動する電荷量の増大を考えている。 その他ZnS:Tm蛍光体の熱処理に伴う発光スペクトルの変化、LaPO_4:Ce,Tb蛍光体での5d→4f及び^5D_3→^5D_4非輻射遷移と緑色発光との関連、及びEB法、スパツタ法によって試作した〓膜セルの成膜条件と電場発光のスペクトルとの間の相関について、時間分解法などによりその原因を考究中である。またECRプラズマ法によるZnS薄膜のエピタキシアル生成条件も確認しつゝある。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] S.Ibuki: Japanese Journal of Applied Physics. 28. L259-L260 (1989)
-
[Publications] H.Ohnishi;R.Iwase;Y.Yamasaki: Society for Information Display International Symposium Digest of Technical Papers. X1X. 289-292 (1988)
-
[Publications] 大西秀臣: テレビジョン学会誌. 42. 1091-1095 (1988)
-
[Publications] H.Ohnishi;K.Okamoto: Conference Record of The International Display Research Conference. 32-35 (1988)
-
[Publications] 大西秀臣: 表面科学. 9. 282-287 (1988)
-
[Publications] 伊吹順央 他: "新材料成形加工事典" 産業調査会, 181-182 (1988)
-
[Publications] 大西秀臣 他: "高性能フラツトディスプレイ最新技術" トリケツプス, 173-190 (1988)