1988 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ相分離した反応性ブロックコポリマー膜の微細加工による機能発現
Project/Area Number |
63604532
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中浜 精一 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016410)
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Keywords | ミクロ相分離構造 / ブロック共重合体 / 多孔質膜 / 微細加工 / 官能基 |
Research Abstract |
4-(ジメチルイソプロポキシシリル)スチレン(I)とイソプレンのブロック共重合体について特にホリイソプレン鎖長の異なる数種の共重合体を合成し、そのフィルムを架橋によりミクロ相分離構造を維持しながらオゾン分解することにより多孔質膜を合成し、その分析結果を比較して元のブロック共重合体の1次構造と多孔質膜の構造の関係を検討した。 架橋およびオゾン分解前後の薄膜の重量変化は架橋反応とオゾン分解がほぼ定量的に進行し、ポリイソプレン鎖が切断、除去されて空孔を形成していることを示唆している。またおぞん分解後も空孔壁に結合しているポリイソプレンは酸化されてアセチル基とホルミル基を持つ重合度が26〜43のポリマー鎖となっていると推定された。このことは1735cm^<-1>と1770cm^<-1>の1R吸収からも確認され、アミンとの反応で得られるシッフの塩基の元素分析から0.54mmol/gのカルボニル基が含まれていることが明らかになった。得られた多孔質膜の走査型電子顕微鏡観察(SEM)から微細孔の孔径が透過型電子顕微鏡観察(TEM)による元のブロック共重合体のポリイソプレンドメインの大きさとよく一致することを明らかにした。すなわち、ブロック共重合体I、II(ポリイソプレン鎖長m=550)について観察されたラメラ構造のドメインサイズは約30nm、得られた多孔質膜の孔径は27〜28nmで形状、大きさともに両者はよく一致している。III(m=340)ではドメインサイズ、多孔質膜の孔径ともに約20nmと小さくなり、一部シリンダー状の空孔が見られる。IV(m=210)では球状で不連続なミクロ相分離が観察された。このようにTEMとSEMの観察結果を比べると、オゾン処理によって生成した微細孔はブロック共重合体のミクロ相分離構造を正確に反映していると考えられる。また、表面直下から深さ方向に断面のSEM観察を続けて行くと、均一な多孔質が生成していることもわかった。さらに、空孔の連続性を評価するためにBET吸着による表面積測定を行い、50〜90m^2/gの大きい表面積をもつことがわかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Jae-Suk,Lee;Akira,Hirao;Seiichi Nakahama: Macromolecules. 21. 274-276 (1988)
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[Publications] Akira,Hirao;Yoshiaki,Ishino;Seiichi,Nakahama: Macromolecules. 21. 561-565 (1988)
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[Publications] Jae-Suk,Lee;Akira,Hirao;Seiichi,Nakahama: Macromolecules.
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[Publications] Takashi,Ishizone;Akira,Hirao;Seiichi,Nakahama: Macromolecules.
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[Publications] Ken,Suzuki;Kazuo,Yamaguchi;Akira,Hirao;Seiichi,Nakahama: Macromolecules.
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[Publications] Ken,Suzuki;Akira,Hirao;Seiichi,Nakahama: Makromol.Chem.