1988 Fiscal Year Annual Research Report
新合金理論に基づく鉄基オーステナイト合金の耐熱、耐食機能設計
Project/Area Number |
63604547
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
湯川 夏夫 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00023036)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森永 正彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50126950)
川上 正博 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30016597)
|
Keywords | 耐熱性 / 耐食性 / 相安定性 / Fe基合金 / オーステナイト鋼 / 合金設計 / 分子軌道法 |
Research Abstract |
耐熱、耐食、耐照射などの高機能を有し、各種先端技術で重要なFe基オーステナイト(fcc)合金について、われわれの開発した新しい合金理論(分子軌道法による)に基づく合金設計手法を確立することを目的として系統的な研究を行った。 8〜12Cr、15〜40Mn、2〜10Ni、残Fe(63種)、5〜16Cr、10〜30Mn、0〜3Ni、0.1C、0.2N、残Fe(30種)(各ut%)について、1250℃の均質化焼鈍後、1050℃×1hの溶体化処理を行った。それらについて光顕観察、硬度(Hr)および透磁率(μm)測定を行い、合金の相安定性(Phose stability)を調べた。 得られた結果をfcc、Niクラスタを用いて計算した。合金元素Mのd軌道レベル(Md)と結合次数(Bo)のパラメータを用いて評価した結果、新しいFe基オーステナイト合金の"相安定性指標図"を開発することができた。本合金の組織や相安定性は従来経験的に作られた"シェフラーの組織図"に頼ってきたが、これは極めて不正確であった。相安定性指標図では高温より溶体化処理状態のγ/γ+α_M(bccマルテンサイト)、γ/γ+α(δ)(bccフェライト)相境界がより表せる。さらにシェフラー図と異なり、低温で時効した場合のTCP相(σやμ相などで脆化相)境界もよく示すことができる。 本図を基い核融合炉壁用の低照射化鋼のコンピュータ援用設計を行った。これでは高放射化元素のNiとNをそれぞれ0.9%および0.3%以下に抑制する必要がある。1008種の計算した合金組成から、条件に合った候補合金、12%Cr、18%Mn、0.9%Ni、0.1%C、0.3%N、残Feを迅速に選定することができた。本合金は硬度も低く、非磁性で安定なγ相より成ることがわかつた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 湯川夏夫: 学振耐熱金属材料第123委員会研究報告. 28,3. 257-272 (1987)
-
[Publications] 森永正彦: 日本金属学会会報. 27,3. 165-172 (1988)
-
[Publications] Natsuo,Yukawa: 14th International Symposium on the Effects of Radiation on Materials,June 127-30,1988,Andover,MA.,ASTM,(Special Technical Publication,in press.).
-
[Publications] Hisashi,Ezaki: Phil.Mag.A 1989 in press.
-
[Publications] Masahiko,Morinaga: Jour.Phys.18. 923-934 (1988)