1988 Fiscal Year Annual Research Report
酸化亜鉛一酸化ニオブ系セラミックスの電気的性質の非平衡状態の微構造による制御
Project/Area Number |
63604589
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
浜野 健也 神奈川大学, 工学部, 教授 (30016810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 繁 神奈川大学, 工学部, 助手 (40191952)
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Keywords | 酸化亜鉛 / バリスター / 微構造 / セラミックス |
Research Abstract |
酸化亜鉛系バリスターの電気的特性は半導性の酸化亜鉛粒子と絶縁性の粒界相の存在、さらに粒界の電荷分布などによって形成されるバリヤーの存在によって支配されることが分っているが、それらの相互関係の詳細についてはまだ余り明らかにされていない。本研究は焼結体の、非平衡状態にある微構造と電気的性質との相互関係を明らかにすることによって、酸化亜鉛系バリスターの設計の基礎を確立することを目的として行ったものである。本年度はZnO-Nb_2O_5-MnO系にSiO_2を添加した98.0ZnO-1.0Nb_2O_5-0.5M_2O-0.5SiO_2の配合を用いた。予め700℃で仮焼して試料粉末を作製した後、成形し、1250℃で1h予備焼成、1305℃で0〜2h本焼成を行ない、空冷して試験体を作製した。得られた焼成体試験片について焼成収縮率とかさ密度を測定し、粉末X線回折法及び走査型電子顕微鏡観察から微構造を調べ、さらに研磨面にHg-Inアマルガムを塗布し、電流二端子法で電圧一電流特性を測定した。 第四成分としてSiO_2を添加すると全体に比抵抗値が大きくなり、保持時間とともに規則的に減少する傾向を示し、バリスター電圧も規則的に低下するようになる。また非直線指数は、SiO_2の添加により相当に顕著に大きくなり、同時に保持時間とともに減少する規則的な傾向を示すようになる。またSiO_2を添加すると焼成体中のZnO粒子の大きさにも影響を与え、保持の初期には粒子成長を促進するが、その後の成長を抑えるようになり、また第二相のZnO粒子界えの浸透を促進するなどの影響をえることがわかった。 以上の結果からこの系に第四成分としてSiO_2を0.5mol%添加することにより、焼成中に液相を生成する温度を約70℃低下させ、液相の粒界への浸透を促進し、最終的にはZnO粒子の成長を抑えて微構造を均質化し、焼結体のバリスター特性を顕著に、また規則的にすることが分った。
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