1988 Fiscal Year Annual Research Report
凝集系における荷電分子種・常磁性活性分子・電子付加錯体の分光および動力学的研究
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63606005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
志田 忠正 京都大学, 理学部, 教授 (60025484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 公一 大阪市立大学, 理学部, 教授 (70029403)
鷲田 伸明 環境庁, 国立公害研究所・大気環境部, 大気化学室長 (70101045)
旗野 嘉彦 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016121)
広田 襄 京都大学, 理学部, 教授 (90093301)
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Keywords | ラジカルイオン / 三重項励起状態 / 電子 / クラスター / イオン分子反応 / 時間分解ESR / 共鳴ラマン / 易動度 |
Research Abstract |
研究代表者および分担研究者ごとにそれぞれの代表的な研究の実績概要を記す。 1志田:(i)ナフレタン、パラジクロルベンゼンのラジカルカチオンの共鳴ラマン散乱光の検出と解析に成功し、近赤外領域の電子励起状態での分子構造・励起寿命などについて新しい知見を得た。(ii)シメチルエーテルのラジカルカチオンのESRを広い温度範囲にわたって測定しメチル基の内部回転におけるトンネル効果の寄与を明らかにした。(iii)簡単なモノサルファイドと電子との低温での反応を調べ解離的電子付加反応と平行してチオカルボニルのラジカルアニオンが生成する事実を明らかにした。(iv)メトキシラジカル、ジメチルエーテルのラジカルカチオンなどにおけるβ位の超微細結合定数の値が大きい事実について検討し適切な計算によって実測結果がよく再現できることを明らかにした。 2広田:(i)昨年度に設置した時間分解ESR用エキシマー・色素レーザーの立ち上げにつとめ、順調に稼働するようにした。これにより昨年度にひきつづきアセトン・アルコール系での光励起ラジカル対生成とそのダイナミックスを詳しく調べラジカル対の回転相関時間などについて新しい知見を得た。 3旗野:(i)パルスラジオリシス・電導度測定法により液体メタン・液体希ガス原子中での電荷再結合反応の速度定数が古典論の予測より著しく小さくなることを見出し、理論家の関心をひいた。 4鷲田:(i)昨年度にひきつづきシクロヘキサンなどの系についてクラスター内のイオン分子反応について研究した。 5伊藤:(i)志田との共同研究としてメタフエニレンビス・フエニルメチレンの放射線によるイオン化の効果を調べ奇電子の非局在が系のスピン配列に及ぼす効果の基礎的研究に着手した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Momose,et al.: J.Chemical Physics. 89. 4185-4192 (1988)
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[Publications] K.Ushida,et al.: J.Physical Chemistry. August. (1989)
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[Publications] K.Tominaga,et al.: J.Physical Chemistry. 92. 5160-5165 (1988)
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[Publications] N.Hoshi,et al.: J.Physical Chemistry. 92. 6615-6619 (1988)
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[Publications] K.Shinsaka,et al.: J.Chemical Physics. 88. 7529-7536 (1988)
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[Publications] Y.Teki,et al.: J.Chemical physics. 88. 6134-6145 (1988)
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[Publications] T.Shida: "Electronic absorption spectra of radical ions(Physical Sciences Data 34)" Elsevier Science Publishers,Amsterdam, Xiv+446pages (1988)