1988 Fiscal Year Annual Research Report
フッ素原子の特性を利用した超高率新増炭手法による分子変換
Project/Area Number |
63607520
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
北條 卓 神戸大学, 工学部, 教授 (60031043)
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Keywords | 含フッ素ヘテロ環化合物 / 含フッ素アニリン類 / 含フッ素さピリジン類 / 含フッ素オキサジアジン類 / 含フッ素イソオキサゾール類 / 含フッ素ピラゾール類 / 含フッ素イミダゾール類 / 含フッ素インドール類 |
Research Abstract |
1.各種アルデヒドヒドラゾンのアゾメチン炭素上でのトリフルオロアセチル化を行った。芳香族アルデヒドの場合には0〜20℃、1〜3時間できれいに反応し、収率よく目的とするトリフルオロアセチル体が得られた。脂肪族アルデヒドの場合にはN-アシル化が競争的におこるが、ジイソプロピルヒドラゾンを用いてこれを立体的に抑えることにより、やはり高収率で目的のアシル体が得られた。2.β-トリフルオロアセチルビニルエーテルはソジオアセチルアセトンと容易に反応してアルコキシ基がアセチルアセトンのCと求核的に置換され、ついで環化しジヒドロピラン誘導体を与えることを見出した。これはアンモニアと反応すると含フッ素ピリジン誘導体を、第1級アミンと反応すると含フッ素アミノブタジェン誘導体を、第2級アミンと反応すると含フッ素アニリン誘導体を、いずれも高収率で与えることを見出した。3.上記のトリフルオロアセチル化されたアルデヒドヒドラゾン類は、トルエン中還流により含フッ素イミダゾールへ、シリカゲル触媒存在下室温で含フッ素オキサジアジン誘導体へ、ピリジン中室温無水トリフルオロ酢酸の添加により含フッ素ピラゾール誘導体へ、いずれも高収率かつ選択的に変換されることを見出した。4.アシル化ヒドラゾンMe_2NN=C(R)COCF_3は試薬と反応条件を選択することにより、RCOCOCF_3、RCOCH_2CF_3、RCOCH(OH)CF_3のように酸化状態の異なる3種の含フッ素化合物へ選択的に変換しうることを見出した。5.本研究代表者が最近見出した芳香族炭素での求核的N-N交換反応を利用し、N、N-ジメチル-α-ナフチルアミンから出発して含フッ素インドール、含フッ素ナフトピラゾール、含フッ素ナフトイソオキサゾールなどの他法では合成し難い含フッ素へテロ環化合物の簡便かつ収率よい合成法を開発した。これらの化合物の生理活性については現在検討中である。
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[Publications] Masaru,Hojo: Tetrahedron Lett.29. 4599-4602 (1988)
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[Publications] Masaru,Hojo: J.Org.Chem.53. 2209-2213 (1988)
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[Publications] Yasuhiro,Kamitori: J.Org.Chem.53. 129-135 (1988)
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[Publications] Masaru,Hojo: Tetrahedron Lett.28. 6199-6200 (1987)
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[Publications] Masaru,Hojo: Synthesis. 1013-1014 (1987)