1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63607521
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宇根山 健治 岡山大学, 工学部, 教授 (00033150)
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Keywords | 電解反応 / フッ素化 |
Research Abstract |
今年度は(1)トリフルオロ酢酸(TFA)の電解酸化によるトリフルオロメチルラジカルの生成条件の最適化、(2)オレフィンの電解トリフルオロメチル化、並びに(3)電解合成した含トリフルオロメチル化合物の化学変換、の3項目について研究した。(1)アセトニトリル-水混合溶媒系でTFAに対し、10%のNaOHを共存下定電流密度電解するとTFAはほぼ定量的にトリフルオロメチルラジカルに変換できる条件を見い出した。本電解条件は、(イ)比較的高い電流密度(50〜100mA/cm^2)で行いうること、(ロ)隔膜を用いることなく単一電解槽で可能であること、(ハ)定電流下で電解できることなど合成化学的手法としての利点が大きい。(ニ)トリフルオロメチル化するオレフィンとして広く各種オレフィンを検討したところ、電子吸引性置換基を有するオレフィンが有効であることが判明した。トリフルオロメチルラジカルは、求電子試剤であるので電子欠損オレフィンと有効に反応するのは矛盾するが、これは、反応条件下で電子密度の高いオレフィンがTFAより先に酸化されてしまうことによるものである。アクリル酸エステル、アミド、ビニルスルホンなどが有効にトリフルオロメチル化される。特にアクリル酸メチルでは、基質濃度1〜3Mで電解でき、蒸留後収率50%でビス(2,2,2-トリフルオロエチル)コハク酸メチルが合成できた。アクリル酸アミドでは、1,2一位にビストリフルオロメチル化された生成物が優先した。一方、メタクリル酸メチルではトルフルオロアセタミド化された生成物が生成した。基質の構造が生成物選択性に大きく関与しており、電解反応の特徴がよくでている結果である。(3)(2)で調整した含トリフルオロメチル化合物を各々の官能基の特性を活用して、種々の含トリフルオロメチルアミノ酸、ヘテロ環化合物、などに変換し、生物活性試験に供している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Uneyama,H.Nanbu,: Journal of Organic Chemistry. 53. 4598-4599 (1988)
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[Publications] K.Uneyama,K.Ueda: CHEMISTRY LETTERS. 853-854 (1988)
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[Publications] K.Uneyama,O.Morimoto,H.Nanbu,: Tetrahedron Letters. 30. 109-110 (1989)