1988 Fiscal Year Annual Research Report
音声入出力のための対話システム及び知識ベースの高度化に関する研究
Project/Area Number |
63608006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
角所 収 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30029839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上原 邦昭 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (60160206)
安部 憲広 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00029571)
溝口 理一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (20116106)
北橋 忠宏 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70029453)
豊田 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
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Keywords | 知識処理 / 対話 / 対話分の解析 / 省略語同定 / 話題管理 |
Research Abstract |
本研究は、自然言語処理を含む知識処理を導入した新しい音声研究の方法論を確立すると共に、音声による対話システムを構築するための問題点を検討し、それを解決するための基盤技術を開発することを目的としている。今年度(昭和63年度)は特に、(1)知識処理、(2)対話文の処理、(3)対話における話題管理、(4)対話モデル、に重点をおいて研究を行った。以下にその成果の概要について述べる。 (1)音声の認識・合成における知識処理に関しては、大量データから帰納推論によって知識を自動生成する方式の開発を行った。認識については、62年度に開発された知識ベース構築支援環境に加えて、新しい属性を生成する能力と強力な一般化帰納を持つ認識知識の帰納推論方式を開発した。合成については、自然音声と合成音声との比較例から時間長、ピッチ、及びホルマント周波数等の制御規則を帰納推論し、かつ得られた知識を管理する知識ベース構築支援システムを開発した。(2)対話に現れる文法から大きく逸脱した文を対象として、黒板モデルを導入した柔軟な制御方式と意味解析を構文解析により優先させる方式を開発した。(3)対話における話題の遷移を管理するためのコンピュータ用と利用者用の2つのスタックを持つ対話プラン解釈方式を開発し、実際の対話に適用することにより、その有効性を確認した。 (4)対話モデルに関しては、対話における暗黙の仮定を語用論的立場から整理し、語用論的文脈処理法を開発した。対話の原則には、「相手の知っていることは言わない。」、「自分の知っていることは聞かない。」等多くのものがある。これ等の原則を整理すると共に、TMS(真理値管理機構)に基づく省略語同定法を実現することにより、対話モデル構築の基礎を与えた。更に、対話の実例を収集し、対話の特性を検討すると共に、対話データベースの可能性を検討した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 辻野克彦: 電子情報通信学会論文誌D. J71ーD. 531-542 (1988)
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[Publications] 堀雅洋: 電子情報通信学会論文誌D. J71ーD. 774-781 (1988)
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[Publications] 堀雅洋: 電子情報通信学会論文誌D. J71ーD. 782-789 (1988)
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[Publications] 山下洋一: 電子情報通信学会論文誌D. J71ーD. 1012-1019 (1988)
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[Publications] 溝口理一郎: 人工知能学会誌. 3. 438-444 (1988)
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[Publications] 三好義昭: 電子情報通信学会論文誌A. J71ーA. 1771-1779 (1988)