1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63608506
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 克彦 大阪大学, 工学部, 教授 (90028936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 雅史 立命館大学, 理工学部, 助手 (80209618)
田口 英郎 大阪大学, 工学部, 助手 (40029278)
赤沢 堅造 大阪大学, 工学部, 講師 (30029277)
森田 龍彌 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029204)
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Keywords | 音声合成 / 調音結合 / ホルマント周波数 / 音声生成過程 |
Research Abstract |
本研究班では、音声だけでなく舌形状と下顎開大度とを同時計測するシステムを開発し、これを用いて舌運動と下顎運動との相互作用、調音結合、調音と音源との相互作用について解析を行い、音声の音響的特徴パラメータとどのように関係しているかを明らかにする 本年度では、調音位置が異なる無声破裂子音/p//t//k/を対象とし、子音生成過程における調音結合の解析を行った。次に、声道特性を全極モデルで表わし、その特性方程式の根の連続性に着目したホルマント周波数を定義し、調音パラメータとの関係を調べた。以下にその概要を示す。 (1)破裂子音生成過程における調音結合の解析 子音発声から母音定常部に至る区間で舌形状及び下顎開大度がどのように変化するかを調べた。調音位置が舌先と上歯茎にある/t/では、前舌部の形状曲率の変化が大きく、破裂時の下顎開大度は小さい。調音位置が口辰にある/p/調音では、前舌部、下顎開大度の拘束は弱く、前舌部形状曲率の変化は小さく、破裂時の下顎開大度は大きくなる。即ち、連続的に発声する場合、調音位置及びそれに近い部位が拘束され、調音に関係しない部位は次の調音状態に移行する様子が明らとなった。さらに/t/調音時での運動速度を調べた結果、/ta/のように下顎が速く運動する場合、舌自体の形状変化は遅く、一方、/tu/のように下顎開大度が小さく、下顎の運動速度が小さい場合、舌自体の形状変化は速くなることが明らかとなった。以上のように、舌運動と下顎運動とは、後続母音(目標値)によりどのように協調するかが明らかとなった。 音声モデルの極軌跡に着目したホルマント周波数の抽出。 従来のホルマント周波数の定義では調音運動との対応が付けられなかった。声道特性を全極モデルで表わし、その特性方程式の根の連続性に着目したホルマント周波数を定義し、調音運動との対応付けを行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松村雅史、山根浩顕、藤井克彦: 電子情報通信学会論文誌. J72-A. 12-22 (1989)
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[Publications] 松村雅史、神内健寿、藤井克彦: 電子情報通信学会論文誌.
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[Publications] 赤沢堅造、竹沢茂、楠本秀忠、藤井克彦: 電子情報通信学会論文誌. 140-147 (1989)
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[Publications] 後井良之、杉浦淳、森田龍弥、藤井克彦、松村雅史: 電子情報通信学会MEとバイオサイバネティックス研究会. (1989)
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[Publications] 竹馬徹、森田龍弥、藤井克彦、松村雅史: 昭和63年電気関係学会関西支部連合大会. S16-18. (1988)
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[Publications] M.Matsumura・Y.Goi・A.Sugiura・K.Fujii: 第2回日米音響学会ジョイントミーティング. 84. S44-S45 (1988)