1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63610005
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 豊 東京大学, 理学部, 教授 (80011493)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 竜治 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (20013576)
竹内 謙介 北海道大学, 理学部, 助教授 (00107450)
酒井 敏 京都大学, 教養学部, 助手 (30144299)
淡路 敏之 高知女子大学, 家政学部, 助教授 (40159512)
今里 哲久 京都大学, 理学部, 助教授 (40025391)
|
Keywords | 深層循環 / 数値モデリング / データアシミレーション / 回転水槽実験 |
Research Abstract |
過去に得られている深層流の観測情報及びこの重点領域研究の他研究班において新たに得られるであろう観測情報を総合して、深層循環構造について提起されている循環像を直接に検証し、また改訂していくことを目的としている。研究方法は3つに大別し得るが、1つは数値モデルにおいて深層循環の特性を明確にすることで、本年度における顕著な成果の1つとして、フィリッピン海において、物質分布から推定されるように南西端からの流入を仮定したときに現れるべき循環を検討したところ、従来考えられたものとは若干違ったパターンが得られること、しかもこのパターンが本重点領域の他班で行われた直接測流の結果と良く対応していることが示されたことが挙げられる。 第2の研究は、温度・塩分等の実測の分布を基にして、深層における流速場を推定するデータアシミレーションの手法の開発であるが、今年度は、昨年度に開発したモデルを用いて、実際に各水粒子がどの様に動くかを検討した。まだ直接この結果をフィリッピン海のような局所的海洋に適応するには若干の問題が残されているが、この予備的な結果においても水粒子が、予想以上に深層と表層との間で交換されることが示唆されている。観測された諸量の鉛直分布は、深層においてもかなりの混合が起こっていることを示唆しており、この問題はさらに次年度にも検討を続けたい。 もう1つの研究は回転水槽を利用した深層水の広がりのモデル化である。昨年度の実験結果にかなりのばらつきがあったため、精度を上げた再実験にかなりの時間を割いたが、これと併せて結果の理論的考察を進めた。その結果、ばらつきの原因の1つが単なる実験誤差ではなく、広がっていく高密度水の厚さとエクマン層の厚さの兼ね合いからくる流下機構の差にもよることが分かってきた。これを考慮に入れた実験を次年度に行いたい。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Nagata: Sahrhage(Ed.).Antarctic Ocean and Resources Variability. 92-98 (1988)
-
[Publications] M.Kubota: The Tenth Seminer on Science and Technology.
-
[Publications] Yoshida,J.;H.Nagashima,;H.Niino: J.Geophys.Res.
-
[Publications] S.Sakai: J.Fluid Mech.