1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63610509
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
武岡 英隆 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90116947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 秀樹 愛媛大学, 工学部, 教務職員 (90159343)
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Keywords | 深層循環 / リザーバー / 平均滞留時間 / 平均年齢 / 平均通過時間 |
Research Abstract |
深層海水は、熱やさまざまな物質の大容量のリザーバーであり、そのリザーバーとしての特性は地球環境にとって重要な意味を持っている。一般にリザーバーにおける物質循環は種々の時間スケールによって表現でき、これらの時間スケールの相互関係からリザーバーの特性の概要が理解される。これらの関係の中で重要なのは平均通過時間と平均年齢の関係である。深層循環を含む海洋でのこれらの関係はどうなるかを、深層循環の多層構造を考慮しつつ、簡単な数値モデルで検討した。モデルは太平洋の南北断面を想定した鉛直2次元の矩形のモデルである。深層での流動の構造として、湧昇域の深層全体で水柱の伸長が起こる場合(case1)、深層の1/3の厚さの最深部で伸長が起こり、その上部で収縮が起こる場合(case2)、case2の収縮部で伸長も収縮も起こらない場合(case3)の3とおりについて、海面を入口としかつ出口とする物質の年齢分布と平均通過時間(平均滞留時間)、平均年齢を計算した。その結果、case2、3で、Peclet数がかなり大きい場合にのみ、現実に得られているような年齢分布が再現されることがわかった。このことから、深層循環と多層構造を持つこと、このスケールでの物質輸送には移流が支配的であることがわかる。また水平循環を見かけの拡散効果として含むようなこの鉛直2次元モデルにおいてなお移流の効果が大きいことは、断面平均で0となるような水平循環の輸送効果は小さいことを示している。さらに、case2、3の場合には深層水の形成域から沈降した海水は最深部に効率的に進入するが、これらのcaseでは平均年齢が小さくなり、深層循環の多層構造によって深層水は通常期待されるより効率的に交換することがわかった。このことは、地球環境の変動に大きな意味を持つと考えられる。
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Research Products
(1 results)