1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63611004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小嶋 稔 東京大学, 理学部, 教授 (20011471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 茂 日本大学, 生産工学部, 講師 (80060044)
高岡 宣雄大 山形大学, 理学部, 教授 (40028171)
清水 幹夫 宇宙科学研究所, 教授 (90017179)
松井 孝典 東京大学, 理学部, 助手 (80114643)
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Keywords | 惑星大気 / 希ガス / レーザー質量分析 / CO_2大気 / 気候変動 / 氷河期 / 大陸成長 / ダイヤモンド |
Research Abstract |
1.希ガスに基づいた惑星大気起源の研究 (1)小嶋は前年度に引き続き、'60億年'の見かけのアイソクロンを示すザイール産キュービック・ダイヤモンドの研究を行った。4個の試料につき原子炉中で中性子照射を行い、さらに段階加熱-質量分析を行った。この結果、^<40>Ar、K(^<39>Ar)、Cl(┣D138Ar)間にはほぼ完全な相関がある反面、他の希ガス (Ne、┣D136┫D1Ar、Kr、Xe) とは殆ど相関を示さないことがわかった。この結果は、ダイヤモンド中の┣D140┫D1Arは、ClやKと一緒に液相としてトラップされたことを明瞭に示すものである。従って、'60億年アイソクロン'は、非放射崩壊起源の過剰Arによることが証明された(小嶋等、Nature 1989)。(2)5個のキュービック・ダイヤモンドを切断し、CL(cathodo-luminescence)法で監察した。この結果試料はいずれも核とマントルの二層から成っていることがわかった。現在、核・マントル部につき、希ガス分析を行っている。(3)高岡は、レーザー質量分析計3の基礎設計を終え、現在製作中である。。 2.惑星大気進化の数値実験 (1)松井は、初期大気をCO_2主成分と仮定し、この大気が地殻の進化と共にどのように変化するかを、数値モデル実験を用い追求した。この結果、大陸の成長に伴い、CO_2型大気は次第にN_2型大気に変わることを見出した。(2)森山は、生物圏と地球環境を一体とした、大気進化モデルを数値実験で調べた。この結果、太陽輻射の増減が直接地球大気中のCO_2増減と関係することがわかった。今後、氷河の起源等の解明の手懸りを与えるものかもしれない。 3.生命と大気の起源 清水は初期大気組成を生命の起源の問題からアプローチを試みている。本年度は、真空下でのWatson-Crick結合をFAB法で確認した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Ozima,M.: Nature. 337. 226-229 (1989)
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[Publications] Ozima,M.: Rev.Earth Planet.Sciences.17. 361-384 (1989)
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[Publications] Ozima,M.: Geochim. Cosmochim. Acta.52. 19-25 (1988)
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[Publications] Kaneoka,I.and Takaoka,N.: Proc.NIPR Symposium on Antarctic Meteorites. 206-214 (1988)
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[Publications] Abe,Y.and Matsui,T.: J.Atomospheric Sciences. 45. 314-323 (1988)
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[Publications] Shimizu,M.: Biophysical Chemistry. 28. 169-174 (1988)
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[Publications] Ozima,M.and G.Igarashi: "Origin and evolution of Planetary atmospheres" University of Arizona Press, (1989)