1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63611005
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
水谷 仁 宇宙科学研究所, 惑星研究系, 教授 (00011578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 保範 山口大学, 理学部, 助教授 (10034729)
前野 紀一 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (50001657)
武田 弘 東京大学, 理学部, 教授 (50011523)
藤井 直之 神戸大学, 理学部, 教授 (60011631)
藤原 顕 京都大学, 理学部, 助手 (70173482)
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Keywords | 衝突現象 / 原始惑星 / 原始太陽系 / エイコンドライト / 隕石 / 微惑星 / ユレーライト / 高速度衝突 |
Research Abstract |
本研究の主要なテーマは原始太陽系における微惑星同志の衝突が、惑星形成・進化に大きな影響を与えている事を考えて、衝突過程の物理・化学を室内実験、隕石やクレーター近傍の岩石の組成・組織に関する鉱物学的研究などを通して理解し、これから惑星形成過程を解明しようとするものである。本年度は室内実験に関する部分で名大、京大の衝突装置の改良、新装置の開発が行われ、従来不可能であった衝突条件で実験が行えるようになった。特に名古屋大学では弾丸、標的の温度制御が出来るようになり、従来実験の難しかった氷同志の衝突実験が可能となった。また京都大学ではミクロンサイズの微粒子を10km/sまで加速できるようになったために、これまでより高速度の衝突現象を調べる事ができるようになった。これらを使った実験の数はまだ限られているが、来年度以降の成果が大いに期待されるものである。また現在世界的に研究者の興味を引いているユレーライト(エイコンドライトの一種)の起源について、この隕石の鉱物学的研究とこの隕石の隕石の鉱物組織がどの様な過程で出来たかを調べるための衝突実験が行われた。鉱物学的研究と酸素同位体のデータからユレーライトが全体としては弱く、局所的に大きな衝撃によって出来たという武田(分担者)の説を裏づけるような衝突実験データが得られた。神戸大学には隕石や衝突実験にサンプルの組織を詳しく観察するための透過型電子顕微鏡が設置され、分析のための整備が行われた。この新装置は来年度以降に実際の成果を生むであろう。惑星形成過程に関する数値シミュレーションの研究について、これまでの衝突実験の成果にもとづき、微惑星の破壊を取り入れた計算が世界ではじめて実行された。これによれば地球の形成時間は約1億年となるが、惑星形成最終段階でも100個程度のかなり大型の微惑星が存在する。これらは原始太陽系の進化について我々の描像を変える可能性がある。
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[Publications] Mizutani,H.;Takagi,Y.;Kawakami,S.: Icarus. in press. (1989)
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[Publications] Hayakawa,M.;Mizutani,H.: Proc.19th Lunar Planet.Sci.Conf.in press. (1989)
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[Publications] Fujii,N.,Horii,Y.;Miyamoto,M.: Proc.13th Sympo Antarctic Meteorite,1988. (1989)
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[Publications] Takeda,H.: Rroc.18th Lunar Planet.Sci.Conf. 18. 33-43 (1988)
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[Publications] Maeno,K.;Hutter,K.: Miff.VAW-ETHZurich. 94. 323-344 (1988)
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[Publications] Miura,Y.: Proc.21st ISAS Lunar Planet.Symp.21. 127-133 (1988)
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[Publications] Fujimura,A.;Cerroni,P.;Davis,D.;Ryan,E.;DiMartino,M;Holsapple,K.;Housen,K.: "Expercments and scaling Laws for catastrophic collisions,in Asteroid II" Arizona Univ.Press, (1989)