1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63611509
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
坂田 朗 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (90017393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 節子 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30017404)
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Keywords | 星形成領域 / 炭素質星周塵 / 赤外スペクトル / π電子 / メチレン |
Research Abstract |
牡牛座の星形成領域のElias1とよばれる特異な赤外スペクトルを示す星周塵を伴った天体がある。このスペクトルから、誕生したばかりのA型星の周りに、変質しつつある炭素質の塵の存在が認められる。このスペクトルを地上実験と対比させ解明するために、まずはこのスペクトルの特徴を示す物質構造を明らかにすることが必要である。Elias1のスペクトルの特徴は、(1)3.535μmに強いピークを示すこと、(2)3.43μmにブロードなピークを示すこと、(3)赤外未同定ラインとして知られる他の天体で良くみられる、3.295μmピークを示すことである。(1)、(2)のピークはこの天体に特徴的である。3.4、3.5μmピークは通常の有機分子の-CH_2-ではそれぞれ非対称伸縮振動および対称伸縮振動に対応し常にともなってみられ、それぞれのピーク強度は常に3.4μm>3.5μmである。Elias1のスペクトルでは、これが逆になっている。この原因として、通常の自由振動が隣接する原子団により拘束され最大ピークが3.5μmに移動することを仮定した。この拘束力を有する原子団としてπ電子雲を考え、隣接するπ電子によりはさまれた-CH_2-構造を有する分子の赤外スペクトルを測定した。π-(CH_2)n-πの数(n)が、3、2、1と減少するにつれて、ピークが3.4μmより長波長へと移動する。n=1の時、最も長波長へと移動する。この構造を一分子内に複数個を有する分子を選定し、一分子内に1〜6個を有する分子の赤外スペクトルを測定した。このうち6個を有する分子、1、4、5、8、9、10-ヘキサヒドロアントラセンの赤外スペクトルは3.5μmに最大ピークを持ち、そのスペクトルのパターンはElias1の3.5μm赤外スペクトルと類似した。これらの結果、隣接するπ電子によりはさまれた-CH_2-構造(confined methylene structure)が3.5μmピークの原因となることを示した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] A.Sakata;S.Wada;T.Onaka;A.T.Tokunaga: "EXPERIMENTS ON COSMIC DUST ANALOGUES" E.Bussoletti,C.Fusco and G.Longo,(eds.),Kluwer Academic Publishers. 121-127 (1988)
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[Publications] T.Tanabe;T.Onaka;F.Kamijo;A.Sakata;S.Wada: "EXPERIMENTS ON COSMIC DUST ANALOGUES" E.Bussoletti,C.Fusco and G.Longo,(eds.),by Kluwer Academic Publishers,. 175-180 (1988)
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[Publications] A.T.Tokunaga;T.Nagata;K.Sellgren;R.G.Smith;T.Onaka;W.Nakada;A.Sakata;S.Wada: Astrophys.Jour.Vol.328. 709-713 (1988)
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[Publications] T.Nagata;A.T.Tokunaga;K.Sellgren;R.G.Smith;T.Onaka;W.Nakada;A.Sakata: Astrophys.Jour.,. Vol.326. 157-163