1988 Fiscal Year Annual Research Report
多電子移動金属酵素モデル錯体を含むLB膜による人工光合成
Project/Area Number |
63612506
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤平 正道 東京工業大学, 工学部, 教授 (40013536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 功 熊本大学, 工学部, 助教授 (90112391)
菅 耕作 東京工業大学, 工学部, 助手 (90016642)
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Keywords | LB膜 / 人工光合成 / 電子移動 / ニッケルサイクラム / 二酸化炭素還元 / 電極触媒 / チトクロムc / チトクロムcオキシダーゼ |
Research Abstract |
本研究の目的は、高度な空間規則性を持つLB膜の特色を活用し、多電子移動に適した酸化還元酵素モデル錯体からなるLB膜と電荷分離機能を持つLB膜とを直列に配したヘテロLB膜系で人工光合成系を構築しようとするものである。本年度は、多電子移動に適した酸化還元酵素モデル膜としてCO_2還元触媒能をもつLB膜の研究と、生体高分子錯体の界面および分子間電子移動の研究に重点を置いた。 炭酸ガス還元能を有する錯体として知られるニッケル-サイクラム錯体のN原子に長鎖アルキル基としてn-ヘキサデシル基を導入し、LB膜の作成が可能な両親媒性化合物を合成した。これらの両親媒性ニッケルサイクラムの1mMクロロホルム溶液を水面上に展開し、生成した単分子膜をグラッシーカーボンディスク電極または金電極上に移し取り、0.1M KCI溶液中で電気化学的測定を行った。電極触媒能は、電解質溶液を炭酸ガスで飽和し、同一pH値における還元電流値の変化から評価した。窒素雰囲気下では,テトラアルキル置換ニッケルサイクラムのサイクリックボルタンモグラムは2つの酸化還元波を示したが、モノアルキル置換体では1つの酸化還元波のみが観測された。CO_2雰囲気下では、いずれの場合にも-1.4V付近から電流の増加が観測された。 機能性修飾電極を用いた呼吸鎖末端の電気化学的モデルとしてチトクロム還元機能電極/チトクロムc/チトクロムcオキシダーゼ/O_2系を組み立て、フェリチトクロムcの触媒還元電流をモニターすることにより、溶液中でのチトクロムcとチトクロムcオキシダーゼ間のみかけの二次速度定数が10^6M┣D1-1s┣D1-1┫D1のオーダーであることが決定された。この系にポリ-L-リジンを添加すると、チトクロムc/チトクロムcオキシダーゼ間の電子移動が阻害されることが見出された。この阻害効果はポリ-L-リジンの構造および溶液のpHと温度に強く影響された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M.Fujihira: Thin Solid Films. 160. 125-132 (1988)
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[Publications] K.Nishiyama: Chem.Lett.1257-1260 (1988)
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[Publications] M.Fujihira: Thin Solid Films. 160. 317-325 (1988)
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[Publications] K.Hoshino: J.Chem.Soc.,Faraday Trans.84. 2667-2676 (1988)
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[Publications] K.Suga: J.Phys.Chem.93. 392-397 (1989)
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[Publications] I.Taniguchi: J.Electroanal.Chem.240. 333-339 (1988)
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[Publications] 谷口功: 電気化学. 56. 1114-1115 (1988)
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[Publications] I.Taniguchi: J.Electroanal.Chem.(1989)