1988 Fiscal Year Annual Research Report
高分子-金属置換クロロフィル類の系における相互作用
Project/Area Number |
63612513
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
井上 秀成 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (60051752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 哲太郎 理化学研究所, 無機化学研究室, 主任研究員 (30029475)
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Keywords | 金属置換クロロフィル / メスバウアー分光法 / 高速液体クロマトグラフィー / ヘムタンパク質 / フラッシュホトリシス / カゴ効果 |
Research Abstract |
高機能性をもった高分子錯体の創出に必要な錯体部位として各種金属置換クロロフィル類を調整し、高速液体クロマトグラフィーによる分離・精製・定量法を確立し、さらに鉄クロロフィル類を錯体部位として調整した高分子錯体についてはメスバウアー分光法により構造と電子状態を調べた。今年度得られた研究結果を箇条書にして以下に示す。 1.金属置換クロロフィル類として鉄(III)クロロフィル、ニッケル(II)クロロフィル、銅(II)クロロフィルを調整し、それらの高速液体クロマイトグラフィーによる分離精製法を開発した。 2.鉄クロロフィル類の^<57Fe>メスバウアースペクトル、電子スペクトル、磁気モーメントなどの測定から、中心の鉄の電子状態は高スピンFe(III)であり、クロリン環上の置換基やアキシャル配位した陰イオンの種類は中心鉄の電子状態にあまり影響を与えないことがわかった。 3.鉄クロロフィル類に電子供与性の異なったピリジン誘導体をアキシャル配位した付加物を合成し、それらの電子構造をメスバウアー分光法により調べた。これより、中心鉄イオンはピリジン誘導体の軸配位に伴い高スピン鉄(III)から低スピン鉄(II)に還元されることが明らかになった。 4.Poly(4-vinylpyridine-co-styrene)を高分子マトリックスとし、鉄クロロフィル及び鉄メチルフェオホーバイトを錯体部位として高分子錯体を合成し、それらのメスバウアースペクトルを測定した。この場合も高分子配位子の軸配位に伴って中心鉄(III)は低スピン鉄(II)に還元された。 5.酸素型ミオグロビン及びその類似ヘムタンパクにナノ秒領域のフラッシュホトリシスを行ない、解離した配位子(酸素分子)の再結合の速度定数を解析した。このナノ秒領域での反応では、光照射後解離した配位子がタンパク質内部にとどまり、そのまま再結合する「カゴ」効果が認められ、特にミオグロビンとコバルトミオグロビンに顕著であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 井上秀成: Anal.Sci.4. 599-603 (1988)
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[Publications] 古谷健二: Chromatographia. 25. 319-323 (1988)
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[Publications] 鈴木孝治: Anal.Chem.60. 1714-1721 (1988)
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[Publications] 井上秀成: Hyp.Int.46. 725-732 (1988)
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[Publications] 田中寅彦: J.Bio.Chem.263. 13670-13676 (1988)
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[Publications] 堀: J.Biol.Chem.264. (1989)