1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63614502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 嘉幸 東北大学, 薬学部, 教授 (90072412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北条 博史 東北大学, 薬学部, 助教授 (90004621)
益子 高 東北大学, 薬学部, 助手 (30157200)
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Keywords | モノクローナル抗体 / ヒトc-erbB-2タンパク / 甲状腺がん / 前立腺がん / ラットCD3 / ケモイミュノリポソーム(CIL) / gp125抗原 |
Research Abstract |
種々のヒト並びに動物腫瘍に対するモノクローナル抗体を作成し、それらの対応抗原の性状を明らかにすると共にがん診断並びに治療への応用を計ることを目的とし、昨年度に引き続いて研究を行ない、以下の成果を得た。(1)ヒトc-erbB-2遺伝子産物に対するモノクローナル抗体を作成した。この抗体はこれ迄にポリクローナル抗体で確認されていた分子量18万5千のc-erbB-2タンパクの細胞外ドメインを認識することが確認された。この抗体のヒトがん細胞及び組織との反応性について検索した結果、正常組織では腎尿細管並びに上部消化管の腺組織とは反応したがその他の組織とは反応しなかった。一方、がん組織では一部の腺がん(胃がん、大腸・直腸がん、乳がん)と強く反応した。これらの結果からこのモノクローナル抗体はc-erbB-2タンパクの機能の解明並びに上記ヒトがんの診断への有用性が示された。(2)それぞれ甲状腺がんまたは前立腺がんの診断に有用と思われるヒト甲状腺ガングリオシドに対するモノクローナル抗体並びにヒト前立腺がん糖脂質酸性画分に対するモノクローナル抗体を作成した。その他、ラットリンパ球表面のCD3分子を認識するモノクローナル抗体の作成にも成功した。(3)選択的な抗がん作用を示すモノクローナル抗体修飾-抗がん剤含有リポソーム(CIL)についての研究を続行し、使用するモノクローナル抗体に対応するがん細胞表面の抗原量とCILの効果との関係を精査すると共にがん細胞において表現量の多いgp125抗原に対するモノクローナル抗体で修飾したCILを作成し、その抗がん効果をin vitro並びにin vivoにおいて検索した。その結果、修飾に用いた抗体の抗原結合部位数が大きい場合にはその結合親和性の大小に拘らずCILは抗がん効果を発揮することを確認した。
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[Publications] Takashi, Masuko, et al.: Jpn. J. Cancer Res.80. 10-14 (1989)
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[Publications] Toshiyuki, Tanaka, et al.: J. Immunol.
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[Publications] Toshiyuki, Tanaka, et al.: J. Biochem.103. 644-649 (1988)
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[Publications] Yoshiyuki, Hashimoto, et al.: Sion-Jpn. J. Allergol. Immunol.4. 425-436 (1988)
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[Publications] Toshiyuki, Tanaka, et al.: Jpn. J. Cancer Res.
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[Publications] Takashi, Nishimura, et al.: Cell. Immunol.112. 220-225 (1988)