1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63615511
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
水野 猛 名古屋大学, 農学部, 助教授 (10174038)
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Keywords | 大腸菌 / 膜タンパク質 / 遺伝子発現調節 / DNA高次構造 / 折れ曲がりDNA / プロモーター機能 |
Research Abstract |
本重点研究の目的に沿って細胞複製における細胞表層タンパク質合成の分子機構の解析を、以下の具体的研究計画に基づいて行なった。 (1).膜タンパク質ompC遺伝子のプロモーター領域の構造と機能解析。 前年度までに、ompCプロモーターの特異的活性化に必須な上流領域の存在を明らかにしてきた。本年度は、このDNA領域の機能を明らかにする目的で、この領域のompCプロモーターに対する相対的位置、方向性などを変化させ、プロモーターの特異的活性化に及ぼす影響を解析した。その結果、上流DNA領域をプロモーター領域から遠ざけてもその機能を発揮することが明らかとなった。その場合、上流領域及びプロモーター領域各DNA間の空間的配置が重要であることも示された。一方、上流領域をプロモーターに対して逆向きに位置させた場合も十分に機能することが明らかになった。 (2).膜タンパク質ompF遺伝子のプロモーター領域の構造と機能解析。 前年度までに、ompF遺伝子の発現調節に必須なプロモーター上流領域のDNAが特殊な構造(Curved DNA)をとっていることを明らかにしてきた。本年度は、この特殊なDNA構造と遺伝子活性化機構との関連性を解析する目的で、site directed mutagenesis法などでDNA構造を変化させることを試みた。その結果、プロモーター上流のT塩基のクラスター内に塩基置換を導入すると、その領域にDNA高次構造の変化が引き起こされることが示された。また同時に、プロモーター機能にも明らかな変化が生じた。したがって、ompFプロモーター上流に認められる特殊なDNA高次構造は、プロモーター機能にとって重要な役割を担っていることが示唆された。おそらくは、その領域に結合する活性化タンパク質OmpRのDNA識別機構に重要であろうと推定される。 以上、本年度の研究計画をほぼ目的どおり達成することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mizuno,T.,et al.: J.Biol.Chem.263. 1008-1012 (1988)
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[Publications] Maeda,S.,et al.: J.Mol.Biol.202. 433-441 (1988)
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[Publications] Maeda,S.,et al.: J.Biol.Chem.263. 14629-14633 (1988)
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[Publications] Mizuno,T.,et al.: Mol.Gen.Genet.214. 95-103 (1988)
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[Publications] Muramatsu,S.,et al.: Mol.Gen.Genet.214. 433-438 (1988)
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[Publications] Tate,S.ーI.,et al.: J.Bacteriol.