1988 Fiscal Year Annual Research Report
炭素・炭素間結合形成を触媒する微生物酵素機能の開発
Project/Area Number |
63616502
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小倉 協三 東北大学, 非水溶液科学研究所, 教授 (80006303)
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Keywords | プレニルトランスフェラーゼ / 不斉合成 / ウンデカプレニル二リン酸シンターゼ / イソプレノイド / 酵素的合成法 |
Research Abstract |
1.枯草菌から分離したウンデカプレ.二リン酸シンターゼによる(E)-3-メチル-3-ペンテニル二リン酸とファルネシル二リン酸との縮合反応は一段階で停止し、4-位に(S)配置のメチル基をもつ光学活性化合物を与えることを見いだした。また、ファルネシル二リン酸の代わりにゲラニルゲラニル二リン酸のE-およびZ-体が同様に反応して、それぞれ対応するキラルな生成物を与えることを見いだした。 2.プレニルトランスフェラーゼの基質の中のピロリン酸部分を種々修飾した化合物を合成し、ファルネシル二リン酸シンターゼおよびソラネシル二リン酸シンターゼの基質としての可能性を調べた。その結果、イソペンテニル二リン酸およびアリル性二リン酸類のいずれに関してもP-O-P結合をP-N-P結合に変えた化合物が人工基質となることがわかった。また、ゲラニルホスホサルフェートも基質となった。 3.Micrococcus luteus B-P26のウンデカプレニル二リン酸シンターゼの活性発現に必須の因子を同菌体から分離し、カルジオリピンとホスファチジルグリセロールであることを明らかにした。 4.同細菌のヘキサプレニル二リン酸シンターゼの2つの成分間の相互作用を調べ、両成分により構築される活性部位のモデルを仮定した。また、これらの知見により、酵素の高度精製への道が開かれた。 5.M. luteusのソラネシル二リン酸シンターゼを活性化する非脂質成分を分離し、その諸性質を明らかにした。 6.ソラネシル二リン酸シンターゼの基質として、ゲラニルゲラニル二リン酸の6、7-エポキシドがはたらくことを見いだした。また、この酵素はファルネシル二リン酸シンターゼでは合成できない長鎖のキラル化合物の不斉合成に応用できることを見いだした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takeshi, Gotoh; Tanetoshi, Koyama; Kyozo, Ogura: Biochem. Biophys. Res. Commun.156. 396-402 (1988)
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[Publications] Tanetoshi, Koyama; Ichirou, Yoshida; Kyozo, Ogura: The Journal of Biochemistry. 103. 867-871 (1988)
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[Publications] Tanetoshi, Koyama; Yuichirou, Kokubun; Kyozo, Ogura: Phytochemistry. 27. 2005-2009 (1988)
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[Publications] Tanetoshi, Koyama; Michio, Ito; shin-ichi, Ohnuma; Kyozo, Ogura: Tetrahedron Letters. 29. 3807-3810 (1988)
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[Publications] Ichirou, Yoshida; Tanetoshi, Koyama; Kyozo, Ogura: Biochim. Biophys. Acta. (1989)
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[Publications] Hiroshi, Sagami; W. J. Lennarz; Kyozo, Ogura: Biochim. Biophys. Acta. (1989)