1988 Fiscal Year Annual Research Report
Na,K-ATPaseおよびH,K-ATPaseの分布と細胞内輸送機序の解明
Project/Area Number |
63617513
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
田代 裕 関西医科大学, 医学部, 教授 (40077558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉森 保 関西医科大学, 医学部, 助手 (60191649)
山本 章嗣 関西医科大学, 医学部, 講師 (30174775)
大森 浩一郎 関西医科大学, 医学部, 助教授 (80094465)
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Keywords | (Na^+K^+)ATPase / 細胞極性 / 内身 / 内リンパ液 / 辺縁細胞 / 細胞内カルシウム濃度 / 蛍光画像解析装置 / カルシウム勾配 |
Research Abstract |
今年度はNa^+、K^+-ATPaseの細胞内局在と細胞内遊離Ca^2の細胞内分布とその動態について研究した。 1.Na^+K^+-ATPaseの細胞内局在。我々は先ずNa^+K、^+-ATPaseのαサブユニットに対するポリクローン抗体よりαサブユニット特異的抗体を作製し、この抗体を用いることにより、交叉反応なしにNa^+、K^+-ATPaseの分布を検出し得ることを見出した。次いでこの抗体を用い内身における(Na^+、K^+)ATPaseの分布について、内身の辺縁細胞の底・側面には多数存在するが腺膣面には全く存在しないことを証明した。中間細胞の辺縁細胞脱側の細胞膜にも多数のNa^+、K^+-ATPaseが存在した。これらの(Na^+、K^+)ATPaseはK^+濃度が細胞内液とほぼ同じ位い高い内リンパ液の産生に重要な役割を果しているものと考えられる。 2. Ca^<2+>の細胞内分布と動態。Ca^<2+>の細胞内分布とその動態を解析する蛍光顕微画像解析装置をオリンパスと共同で開発した。この装置を用い先ず胃壁細胞と主細胞、血小板などのCa^<2+>の細胞内分布を調べた。その結果、遊離カルシウムイオン濃度〔Ca^<2+>〕iは決して一様ではなく、二種類のカルシウム勾配が存在することが判明した。その第一は細胞膜直下に存在する連続的勾配で細胞膜に向うにつれて上昇する。第二は核周辺部に存在する連続的勾配である。分泌刺激を加えると非連続勾配は細胞全体に拡大し、かつ新らたにより高い非連続的勾配が出現した。前者の連続勾配は細胞膜のCa^<2+>-ATPaseやCa^<2+>-チャンネル、さらにCa^<2+>結合タンパク質であるカルモジュリンやアクチンの存在と関係しているものと思われる。後者はCa^<2+>の内部動員と関係しているものと推定される。 タンパク質の細胞内輸送(特に小胞体,ゴルジ体間輸送)や分泌過程は〔Ca^<2+>〕iの変化と密接な関係があることが判明しており、今後両者の関係について、さらに詳細な解析を加えたいと考えている。
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[Publications] Y.Tashiro;K.Omori;A.Yamamoto: J.Histochem.Cytochem.36. 221-222 (1988)
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[Publications] T.Iwano;A.Yamamoto;K.Omori;M.Akiyama;T.Kumazawa;Y.Tashiro: J.Histochem.Cytochem.in press. (1989)
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[Publications] Y.Tsunoda;S.Yodozawa;Y.Tashiro: FEBS Lett.231. 29-35 (1988)
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[Publications] Y.Tsunoda;K.Matsuno;Y.Tashiro: Biochem.Biophys.Res.Commun.156. 1152-1159 (1988)
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[Publications] Y.Tsunoda;S.Yodozawa;Y.Tashiro: Cell Struct.Funct.13. 407-415 (1988)
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[Publications] Y.Tsunoda;S.Yodozawa;Y.Tashiro: J.Histochem.Cytochem.in press. (1989)
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[Publications] Tamotsu,Yoshimori;Yutaka,Tashiro: "生体の科学第39巻" 医学書院, 544-550 (1988)
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[Publications] Yutaka,Tashiro;Yasuhiro,Tsunoda: "生体の科学第39巻" 医学書院, 361-365 (1988)