1988 Fiscal Year Annual Research Report
動物ミトコンドリアの遺伝子構造と遺伝暗号の進化的変遷
Project/Area Number |
63618504
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡辺 公綱 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (00134502)
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Keywords | ミトコンドリア / 遺伝子構造 / 遺伝子暗号 / プロモーター構造 / 複製開始領域 / ヒトデ |
Research Abstract |
我々は6年前よりイトマキヒトデ卵巣のミトコンドリア(mt)遺伝子の構造解析を始め、現在まで全16キロ塩基対の内、約14キロ塩基対の配列を決定した。ヒトデmtに特有の遺伝暗号の使い方(UGA=Trp、AAA=Asn、AG(A/G)=Ser)とtRNAser(AGY)遺伝子の特異構造および13個のtRNA遺伝子のクラスターの存在、DNAのH鎖とL鎖上の塩基の偏りに関する規則性などを見出した。同族のキヒトデmtについても部分的に(6キロ塩基対)塩基配列を決定したところ、遺伝暗号などイトマキヒトデに見いだされた特徴を総て備えていることを確認している。 今年度新たに得られた知見は以下の通りである。 1.キヒトデのmtDNAの遺伝子配置はイトマキストデのものと同一であることを確認した。 2.全塩基配列の決定されたウニmtの遺伝子配置と比較したところ、13個のtRNAクラスター-NDl-tRNA^<11e>-ND2-rRNA(16S)にわたる約4キロ塩基対の領域がヒトデとウニで逆転していることが明らかになった。 3.ヒトデとウニではDループ中の一個所に集中したプロモーターは見つからず、ゲノム全域にわたって5-6個所に散在するTTATATATAAがその有力候補であることが分かった。 4.複製開始領域に関してはヒトデに共通のものとして、Dループ中のG-C塩基対に富むステム-ループ構造とND5のN末端上流の特異配列が示唆された。 4.魚類mt遺伝子としてサクラマスの精巣について検討を始めた。現在mtDNAを単離し、その制限酵素断片のクローニングをおこなっている。
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[Publications] Takiyoshi,Araki: Nacleic Acids Rco.,Symp.Ser.20. 93-94 (1988)
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[Publications] Shozo,Osawa: J.Mol.Evol.
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[Publications] Haword T.Jacobs: Current Genet.
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[Publications] 渡辺公綱: "分子生物学入門-遺伝暗号を解く" 共立出版, 145 (1988)