1988 Fiscal Year Annual Research Report
顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)遺伝子の発現誘導機構の解析
Project/Area Number |
63620516
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
長田 重一 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 研究部長 (70114428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅秀 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 特別研究員 (80202597)
西澤 幹雄 大阪バイオサイエンス研究所, 第1研究部, 特別研究員 (40192687)
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Keywords | 好中球 / マクロファージ / 顆粒球コロニー刺激因子 / プロモーター / エンドトキシン / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
好中球やマクロファージなどの血液細胞は、造血器官である骨髄においてその幹細胞から増殖、分化する。この過程を制御するコロニー刺激因子は、骨髄間質細胞から分泌されると考えられる。一方、感染過程における白血球数の増加は、マクロファージによって産生されるG-CSF、T細胞によって合成されるGM-CSFによって制御されている。本研究では、単離したG-CSF cDNAや染色体遺伝子を用いて、マクロファージにおけるG-CSF遺伝子の発現機構を解析した。 マウスにLPSを投与すると、その血中の顆粒球数が顕著に増加するが、その際、血清中のG-CSFレベルが十倍以上増大することが、G-CSFの活性測定により明らかとなった。 この活性は、マウスG-CSFに対する特異的抗体により阻害される。そこで、SV40により形質転換されたマウスマクロファージBam3細胞株をLPSの存在下しで培養すると、その4時間後からG-CSF mRNAが検知され、24時間目にピークに達した。 ついで、マウスG-CSF染色体遺伝子のプロモーター領域に種々の欠失変異、点変異を導入し、CAT assay法により、その遺伝子発現に必要なプロモーター部位を検索した。その結果、導入したG-CSFプロモーターはマクロファージ細胞中では発現しないが、LPSの刺激により活性化された。この際、プロモーター上 約300塩基対内に存在する少なくとも3個のelementsが、LPSによる発現に必須であることが明らかとなった。現在、これらのelementsに結合する核内因子の同定を試みている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Buchberg,A.M.: Oncogene Res.2. 149-166 (1988)
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[Publications] Tani,K.: Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 85. 1792-1795 (1988)
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[Publications] Hara,K.: Exp.Hematol.16. 256-261 (1988)
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[Publications] Shirafuji,N.: Leukemia Res.12. 745-750 (1988)
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[Publications] Cully,J.: Exp.Cell Res.180. 440-450 (1989)
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[Publications] Shirafuji,N.: Exp.Hemetol.(1989)
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[Publications] Nagata,S.: "Granulocyte colony-stimulating factor,In Handbook of Experimental Pharmacology,volume"Peptide Growth Factors and Their Receptors."" Springer, (1989)