1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63621510
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
山本 和生 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 総括研究員 (20093536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 誠 奈良医科大学, 研究員 (60175213)
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Keywords | 光回復酵素 / シクロブタン型ピリミジン二量体 / 光吸収体 / 部位特異的突然変異誘発 / 活性中心 |
Research Abstract |
大腸菌光回復酵素は、分子量約5万の蛋白質で、254nm紫外線で形成されるDNAの損傷、シクロブタン型ピリミジン二量体(二量体)、に特異的に結合する。光吸収体としてフラビンを持つため、380nm波長光を吸収し、二量体を単量体へと修復する。光回復酵素には従って、二量体結合部位と、光吸収体結合部位の少くとも2つの活性中心が存在すると考えられる。本研究は、12塩基対リンカー挿入による部位特異的突然変異誘発によって作成した変異光回復遺伝子の解析によって、各活性中心の位置を知り、そのことで、光受容の仕組みを理解しようとするものである。 遺伝子の22ヶ所に、1.2塩基対HindIIIリンカーを挿入することに成功した。挿入位置は、HindIII及び他の制限酵素との二重、三重消化によって決定した。各変異プラスミドが作る酵素の生物活性をinvivoで調べた所、14株は、リンカー挿入を持たない正常プラスミドと等しい活性を示した。活性中心と無関係の位置にリンカーが挿入された結果、正常でない蛋白質が作られるが、酵素作用としては正常となっている考えられる。この14株については、これ以上の解析は行っていない。残りの8株をリンカー挿入位置と変異酵素の特性より、3つのグループに分類した。C末端に近い部分の100塩基対の間隔にリンカーが挿入された4株は、全く同程度に光回復活性の欠損を示した。二重体結合能に欠損があると考えると都合のよい変異体である。N端に近い部分に挿入のある1株は、二量体結合能は正常だが、光吸収体結合能の変異と考えられる変異株であった。残り3株は、N端に近い部分に挿入があり、よく似た特質を持つ変異株であった。各グループから代表的なプラスミドを選び、それぞれが作る変異酵素を抽出精製し、in vitroでの特性を明らかにすべく研究が進行中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] F.Hutchinson: J.Mol.Biol. 202. 593-601 (1988)
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[Publications] M.Ruiz-Rubio: J.Bacteriol.170. 5371-5374 (1988)
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[Publications] K.Yamamoto: J.Radiat.Res.30. inpress
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[Publications] R.Bockrath: PHotochem.Photobiol.
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[Publications] K.Yamamoto: Mutat.Res.