1988 Fiscal Year Annual Research Report
外来遺伝子導入法を用いた高等植物の転写調節DNA領域の解析
Project/Area Number |
63622502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内藤 哲 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20164105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西宗 高弘 大阪府立公衆衛生研究所, 課長 (60034930)
米田 好文 東京大学, 遺伝子実験施設, 講師 (10124215)
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Keywords | トランスジェニック植物 / レポータ遺伝子 / 種子貯蔵タンパク質 / ダイズ / アラビドプシス |
Research Abstract |
転写制御因子を遺伝学的に解析する系を確立するため、大豆の7s種子貯蔵タンパク質遺伝子をアラビドプシスに導入し、トランイジェニック植物を得た。7s貯蔵タンパク質を構成する3つのサブユニットの内、先ずβサブユニットをコードするゲノムDNAを導入した。得られたトランイジェニックアラビドプシスは種子の成熟後期に高いmRNAレベルを示し、既に報告したダイズやトランスジェニックペチュニアの場合と良く似た発現の時間経過を示した。このことは、種子貯蔵タンパク質の発現制御に種を超えた普遍性のあることを示している。 次いで、α'サブユニット遺伝子の5'領域を切り出して、β-グルクロニターゼ(GUS)の構造遺伝子とつないでキメラ遺伝子を導入した。得られたトランスジェニックアラビドプシスの種子は高いGUS活性を示した。アラビドプシスの種子は1粒約20μgでしかないが、このトランスジェニックアラビドプシスの種子は1粒で検出限界の1,000倍以上の活性を示した。一方、葉では活性は検出されず、発現制御の特異性を保っていた。この種子を発芽させて得た双葉(8日目)てのGUS活性を測定したところ、1対の双葉は種子1粒の約1/3の活性を残していた。従って、このトランスジェニックアラビドプシスの種子に突然変異誘起処理を行い、2代目の種子を蒔いて得られる双葉1枚でGUS活性のスクリーニングを行うことにより、大豆種子貯蔵タンパク質遺伝子の発現制御に係わる変異を持ったアラビドプシスを分離することができると考えられる。
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Research Products
(1 results)