1988 Fiscal Year Annual Research Report
カルシニューリンの脳内における特徴的局在-大脳基底核疾患との関係
Project/Area Number |
63623508
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 安隆 熊本大学, 医学部, 助手 (90192517)
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 助手 (60191433)
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Keywords | カルシニューリン / カルモデュリン結合蛋白質 / 大脳基底核 / 線状体 / 免疫組織化学 / 神経細胞特異蛋白質 / 神経系腫瘍組織 |
Research Abstract |
カルシニューリン(CaN)の生理的機能を知る上で、脳内分布を調べることが重要であね。黒質、淡蒼球、線状体などの大脳基底核に濃度高く存在していることがわかった。特に線状体からの遠心性線維に含まれていることが明らかとになった。さらに、線状体におけるCaN含有細胞の同定を試みた。方法的には、ラット脳から精製したCaNに体するポリクローン抗体を作製し、イムノブロット法、免疫組織化学法を用いた。抗コリンエステラーゼ抗体と抗CaN抗体との二重染色では、それぞれの抗体で染色される細胞種が明らから異なり、二重に染色される細胞を認めなかった。また、抗サブスタンスP抗体と二重染色すると、個々の抗体のみに染色される細胞の場合と、両抗体に二重染色される細胞を認める場合が観察された。抗サブスタンスP抗体に体する反応性および細胞形態的特徴から、CaN含有細胞は中等度サイズ棘ニューロンであると結論された。 ラット脳から精製されたCaNに体する抗CaN抗体がヒト脳に存在するCaNにも同程度に反応することを確かめ、種々のヒト神経等腫瘍組織におけるCaNの発現を調べた。アストロサイトーマ、多形性膠芽腫、オリゴデンドログリオーマ、上衣腫、脈絡叢乳頭腫、髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫、頭蓋咽頭腫、血管芽腫、過誤腫、間葉性腫瘍、悪性リンパ腫などのグリア系細胞、非神経性細胞にはCaNに対する免疫反応性を認めなかった。一方、末梢性神経芽腫、神経節性神経芽腫、神経節性神経腫、網膜芽腫などの神経系細胞にCaN免疫反応性を認めた。これまでにも、神経細胞を識別する手段として神経細胞特異性標識因子の開発がなされており、ニューロン特異性エノラーゼ、ニューロフィラメントなどが知られている。CaN免疫染色法を加えることにより、より多角的な神経細胞の同定が可能になると考えられる。
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[Publications] K.Fukunaga: J.Neurochem.51. 1070-1078 (1988)
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[Publications] Y.Ohta: J.Biol.Chem.263. 11540-11547 (1988)
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[Publications] S.Goto: Exp.Brain Res.69. 645-650 (1988)
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[Publications] H.Sato: Arch.Biochem.Biophys.260. 443-451 (1988)
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[Publications] N.Inoue: J.Neurochem.50. 400-405 (1988)