1988 Fiscal Year Annual Research Report
心筋症成因の分子的操索-心筋カルシウムチャネル群の動的変化と分化の解析
Project/Area Number |
63624501
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 仁 北海道大学, 薬学 部, 助手 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 憲和 北海道大学, 医学部, 助手 (70180776)
谷沢 和隆 北海道大学, 薬学部, 助教授 (90001049)
金岡 祐一 北海道大学, 薬学部, 教授 (50001029)
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Keywords | 心筋症 / カルシウムチャネル / 電位依存性チャネル / カルシウム放出チャネル / 単クローン抗体 / サブユニット / 光アフィニティラベル |
Research Abstract |
心筋症の発症には心筋カルシウムのインバランスが伴うとの仮説に立って、本研究では心筋作動の機能を担う多様なカルシウムチャネル群やカルシウムポンプの中から、電位依存性カルシウムチャネルとCa放出チャネルに着目し、まずこれを特異的に識別する単クローン抗体の作成を目指した。 1.ブタ心室筋より精製したCa放出チャネルを免疫することによってこの分子を識別する単クローン抗体が一種作成できた。その免疫反応特異性は免疫沈降実験、ウェスタンブロットなど種々の分析からも十分示された。この抗体はブタのみでなく、イヌ、ウサギ等の心筋膜標品のCa放出チャネルとも免疫交差性を示した。しかし骨格筋のものとは全く交差性を示さなかったことから、組織によるCa放出チャネル分子の違いが強く示唆された。 2.1と同様に電位依存性カルシウムチャネルの単クローン抗体の作成を試みたが、最終的なクローン化に成功していない。 3.心筋の電位依存性カルシウムチャネルの十分な精製に成功した報告は未だない。ブタ心室筋より得た形質膜画分を可溶化後、3段階の精製を経て比活性で約300倍精製した。精製標品の分子構造をSDS-ゲル電気泳動法で解析すると、170KD_aと140KD_aに主たるポリペプチド鎖を観測した。これらは骨格筋の同チャネル分子のα_1、α_2サブユニットに相当するものと考えられるが、α_1サブユニットは骨格筋のものより明らかに大きい。この事実はアジドピンを用いた光アフィニティラベルの結果からも裏づけられた。この結果は電位依存性カルシウムチャネルもまた心筋と骨格筋では異なった分子であることを示す事実である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakayama,H.: Peptide Chemistry 1987. 795-798 (1988)
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[Publications] Hatanaka,Y.: Photomedicine and Photobiology. 10. 215-216 (1988)