1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63627001
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村山 正 北海道大学, 工学部, 教授 (70001162)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 登 北海道大学, 工学部, 教授 (60003208)
和栗 雄太郎 九州大学, 工学部, 教授 (80037704)
古浜 庄一 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (50061445)
|
Keywords | 燃焼機構 / 燃料性状 / 定常噴流火炎 / 噴霧燃焼 / 黒煙生成 / 水素燃焼 / 石油系燃料 / 着火性 |
Research Abstract |
燃料の物理・化学的な性状と燃焼現象ならびに燃焼装置の諸特性との関係を明確化する目的で一連の研究を行った。 まず、定常噴流拡散火炎バーナに種々の燃料を供給して、火炎の温度分布や化学種濃度分布を測定した結果、燃料性状にかかわらず火炎構造に相似性が存在することが明らかとなった。それにより、燃料性状による火炎構造の変化を集約・体系化する上で有用な指針が示された他、複雑な液体噴霧火炎を、解析の容易な気体燃料で模擬し得る可能性を示すことが出来た。 また、定容容器や内燃機関を用いた研究から、芳香族燃料の予混合燃焼における黒煙は、アルカン類の場合にはC/H比が増加しても必ずしも増加しないことが明らかとなった。また、同一炭素数のものでは、飽和環状物質と比べて不飽和環状化合物の方が、また、ベンゼン核に結合するメチル基が少ないものの方が、排出黒煙量は減少することが分かった。 一方、空気流動可変の燃焼可視化装置により、A重油(JIS1種)とC重油(JIS3種)の噴霧の燃焼特性の比較を行った結果、C重油では、スワールによる分散の速度がA重油より低く、拡散燃焼速度が小さく、スートの発生も多いことが確かめられた。これらは噴霧の蒸発速度の違いに関連が深いものと考えられ、今後さらに噴霧の内部構造の違いを明確にする必要があるものと思われた。 他方、水素燃焼に関する研究では、高圧水素噴射エンジンにおける燃焼圧力振動は燃焼室の寸法とガスの状態値で決まる固有振動数を持ち、その振幅は点火遅れが短く圧力上昇率が小さいと減少し、吸気に水素の一部を予混合することによって完全に消滅することが明らかとなった。また定容容器での実験から、水素火炎はふく射熱が小さいため、一噴流に点火後の火炎伝播には長い時間を要することを確認した。
|
-
[Publications] 近久武美、竹縄佳二、村山正: 第26回燃焼シンポジウム前刷集. 287-289 (1989)
-
[Publications] 古浜庄一 他: 日本機械学会論文集. 55. (1988)
-
[Publications] 和栗雄太郎 他: 日本機械学会論文集・B編. 55. 246-252 (1989)
-
[Publications] 和栗雄太郎 他: 日本機械学会論文集.
-
[Publications] 宮本登、小川英之、山谷光隆、井上敏夫: 日本機械学会北海道支部 第30期総会講演会講演概要集. 891-1. 17-18 (1989)
-
[Publications] 宮本登、小川英之、鈴木和治: 日本機械学会北海道支部 第30期総会講演会講演概要集. 891-1. 15-16 (1989)
-
[Publications] 宮本登、小川英之、大井康広: 日本機械学会北海道支部 第29期総会講演会講演概要集. 822-2. 22-23 (1988)