1988 Fiscal Year Annual Research Report
定容積容器内噴霧燃焼における煤およびNOx低減に関する研究
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63627505
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
岡島 敏 法政大学, 工学部機械工学科, 教授 (20061179)
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Keywords | 衝突噴霧 / 乱流噴霧火炎 / 高攪乱 / 内部EGR / 急速燃焼 / 低汚染物質 / 圧力仕事(最高圧力) |
Research Abstract |
本研究は、ディーゼル機関で燃焼に起因する環境汚染物質、特に、煤CO,HC及びNOx等を燃焼方式の改善により、その生成の抑制と低減化を図り、同時にそれに伴う乱流拡散噴霧火災の挙動を燃焼工学的に調べることを目的とするが、この研究の第一段階として、本年度は、重点的に次のことを調べた。すなはち、(1)高温の密閉容器に対向する2個の噴射ノズルを取り付け、対向噴射させて燃焼容器内に強い攪乱を起し、急速燃焼と内部EGRの効果を生じさせて、各空気過剰率において圧力仕事を減少させることなしに上述の環境汚染物質の低減化の可能性の追求と(2)その際に生ずるる高攪乱・急速燃焼の衝突噴霧火炎の構造等の解明である。 本実験に用いられた燃焼容器は内直径108mm、幅60mmのステンレス製の円筒形で、その燃焼容器には2個の単気筒用噴射ノズルが直径上に対してその位置が調節できるように取り付けられている。さらに燃焼容器は623Kまで温度が上げられるようにシリコニット発熱体を収めた耐火レンガ製ヒーターの上に乗せてある。煤濃度の測定はボッシュ型計測器によって行い、NOxの測定は燃焼容器内の燃焼ガスをNOxアナライザーによって測定する。また噴霧状況の観察は非燃焼時において直接高速度写真法によって行われる。 対向噴射による衝突噴霧燃焼はいかなる空気過剰率に対しても、単噴射の場合と比べて、煤及びNOxを著しく減少させ、特にNOxの減少に対する効果は極めて大きい。同一煤あるいはNOx濃度に対して対向噴射の方が高い燃焼圧力が得られる。このことは対向噴射の場合、噴射の衝突により強い攪乱と混合が生じ、燃焼容器全体にわたって燃料の散乱が起こるので、内部EGR効果と同時に平均燃焼温度の低下に起因するものと考えられる。今後はこれらの現象を燃焼工学的に考察する。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 岡島 敏: 自動車技術会学術講演会882. 319-322 (1988)
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[Publications] 荒川一哉,川上忠重,岡島 敏,飯沼一男: 日本燃焼研究会、第26回燃焼シンポジウム. 4-7 (1988)
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[Publications] 岡島 敏: 燃料協会第55回燃料協会大会. 1-4 (1988)
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[Publications] 大村一郎,川上忠重,岡島 敏,飯沼一男: 日本機械学会第64期定時総会・講演会. (1989)
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[Publications] S.Okajima: The Twenty-Second International Symposium on Combustion. (1989)
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[Publications] S.Okajima: Dynamics of Reactive Systems progress in Astronautics and Aeronautics. 113. 151-169 (1989)
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[Publications] 岡島,河野: "工業熱力学" 学献社, 1-250 (1989)