1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63628511
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
國枝 武久 熊本大学, 薬学部, 教授 (80012649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 忠男 熊本大学, 薬学部, 教務員 (60176203)
永松 朝文 熊本大学, 薬学部, 助手 (40155966)
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Keywords | 液晶媒体 / ウラシル光二量化 / ステアリン酸ブチルエステル / 親ジエンコレステック液晶 / 高選択的高効率反応 / 機能性液晶 |
Research Abstract |
異方性分子集合体"液晶"を媒体素材として利用して、各種の有機反応を高度に且つ効率よく制御する液晶反応系の確立を目指し、光反応と熱反応とに焦点をしぼり検討を行った。 (1)液晶中最も秩序度の高いスメクチック相媒体を用いる高選択的高効率光変換反応: 反応基質として既によく研究されているウラシル誘導体を用い、室温近辺でスメクチック相またはコレステリック液晶構造をとる n-butyl stearate, cholesteryl oleyl carbonate, cholesteryl linoleateを異方性媒体として二量化反応を行い、異方性、等方性条件下における4種のシクロブタン型二量体の成分分布を選択性の目安として検討した。液晶媒体下、特に秩序度の高いスメクチック相下で高選択的高効率の二量化反応が進行し、液晶媒体の特異性を明確に示すことが出来た。液晶相から等方性相への反応媒体の相転換(反応温度では1℃の違い)により、立体選択性、収率とも90%前後から0%近くに激減した。等方性媒体中とは異なった高い反応選択性を達成しうる特筆すべき反応系を見いだしたので、その要因解明が次年度の課題である。 (2)機能性(反応性)液晶物質の創製とその有機化学的利用: 従来液晶構造を利用して熱環化反応等を立体化学的に高度に制御することに成功した例はまだ知られていない。この理由の一つは反応基質の規則的配向に問題があるように思われるので、明らかに規則的構造をとる反応性液晶の開発を目指し親ジエン液晶を新規に設計合成した。コレステリル フマレート類はDiels-Alder反応に適した温度と温度域を持つコレステリック液晶となることを見いだした。中には100℃以上の液晶温度域を持つものもあり、本環化反応を幅広く検討することが出来るので、目下位置選択性と不斉選択性に重点をおき検討を急いでいる。
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Research Products
(1 results)