1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63629501
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柳田 勉 東北大学, 理学部, 助教授 (10125677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 太彦 東北大学, 理学部, 教授 (70108447)
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Keywords | 太陽ニュートリノ問題 / ニュートリノ振動 / ニュートリノの磁気モーメント |
Research Abstract |
今までにデービスの捕らえた太陽ニュートリノの数と太陽黒点数との間に、著しい関連が見られる。これを単なる統計的な誤差と解釈することは可能だが、もしもニュートリノが電子のボーア磁子の百億分の一程度の磁気モーメントを持っていれば、この相関を説明することができる。しかし、通常の標準模型ではこのように大きな磁気モーメントをニュートリノに与えることは不可能である。しかし、もし荷電をもつスケラー粒子が存在していれば、必要な大きさの磁気モーメントをニュートリノに与えることが出来る。今年度の研究では、(1)そのようなスケラー場が存在する場合、大気中で発生したニュートリノが地中を通過する際に、タウ型のニュートリノに振動する。(2)このスケラー場の効果により右巻ニュートリノを超新星内部に閉込めることが可能になり、ニュートリノが磁気モーメントを持つ時の困難を解決できることを明らかにして、それぞれPhysics Letterに発表した。 またニュートリノが小さな質量を持つ場合、ニュートリノが太陽内部で大きな振動現象をおこす可能性がある。このニュートリノ振動を用いて太陽ニュートリノの数の時間変化を説明する可能性も調べている。これは、太陽の活生期の太陽密度の変化を利用するものである。 またニュートリノがマヨラナ質量をもつ場合、宇宙のバリオン生成のメカニズムに大きな効果を与える。この効果についても詳しい研究を行ないPhysical Reviewに発表した。
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[Publications] M. Fukugita: Physics Letters B. 206. 93-96 (1988)
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[Publications] R. Barbieri: Physics Letters B. 213. 69-72 (1988)
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[Publications] T. Akiba: Physical Review D. 38. 1937-1941 (1988)
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[Publications] T. Hatsuda: Modern Physics letters A. 12. 1133-1136 (1988)