1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63631008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 信彦 東京工業大学, 理学部, 助教授 (50126140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 助教授 (50010947)
山崎 敏光 東京大学, 原子核研究所, 所長 (80011500)
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Keywords | 酸化物超伝導体 / 高温超伝導 / 反強磁性 / μSR法 / 超伝導と磁性 / 低次元磁性 / Bi_2Sr_2YCu_2Oy / YBa_2Cu_3O_6 / HoBa_2Cu_3O_6 |
Research Abstract |
我々は、酸化物超伝導の磁気的性質の研究に最初にμ^+SRを適用し、YBa_2Cu_3Ox系において絶縁体相YBa_2Cu_3O_6が反強磁性であることを発見、μ^+SR法が酸化物超伝導体の研究に有力な方法であることを示した。その後、国内外の多くのグループがμ^+SR法を用い酸化物超伝導体の磁性研究を行うようになった。我々は、さらにμ^-粒子を用いると酸化物超伝導体中の酸素原子位置の電子状態の情報が得られるとの提案を行い、YBa_2Cu_3Ox系、La_2-xSr_2CuO_4系のμ^-SR実験を開始した。以下、我々のμSR法を用いた研究内容を列記しておく。 (1)YBa_2Cu_3Ox系の磁気的性質の研究。YBa_2Cu_3O_5の絶縁体相が反強磁性を示すことを見つけ、ホールの導入によりネール温度が急激に低下することを示した。半導体相から超伝導体相へ移りかわる領域の磁性は現在、酸素の抜け方をコントロールして実験が進行中。 (2)HoBa_2Cu_3Ox系において、YBa_2Cu_3O_<6・9>の超伝導転移温度TcはYを磁性イオンに置換してもTcは変化しないことが知られていたが、その絶縁体相の反強磁性も磁性イオンによる置換により変化しないことを示した。 (3)Bi-Sr-Ca-Cu-O系の磁気的性質はあまり知られていなかったが、Bi_2Sr_2Y_<1->xCayCu_2Oy系においてBi_2Sr_2YCu_2Oyが室温以上にネール温度を持つ反強磁性であり、ホールを導入するとYBa_2Cu_3Ox系、La_<2->xSrxCuO_4と同様、ネール温度は低下し超伝導状態では反強磁性長距離秩序は観測されなくなることを示した。現在、一層のCu_2O面を含むBi_<2->xNdxSr_2CuOy系との比較を実験中。 (4)La_<>2-xSrxCuO_4、YBa_2Cu_3Ox(x=6.0、6.9)のμ^-SR実験を行い酸素位置でのナイト(又は化学)シフトを測定、解析と理論検討中。さらにNd_<2->xCexCuO_4、LiT_<12>O_4等に実験を進めてゆく予定。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 西田信彦 他: Physica. C153. 761-762 (1988)
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[Publications] 西田信彦 他: Physica. C156. 625-628 (1988)
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[Publications] 久野良孝 他: Physical Review B. 38. 9276-9279 (1988)
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[Publications] 西田信彦 他: (1989)
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[Publications] 西田信彦 他: (1989)
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[Publications] 西田信彦 他: 第43回日本物理学会年会予稿集. 3. 135-137 (1988)