1988 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属用弱励起プラズマによるAl CVDの表面反応制御の研究
Project/Area Number |
63632503
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
御子柴 宣夫 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (70006279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益 一哉 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (20157192)
坪内 和夫 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (30006283)
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Keywords | 超LSI / 配線 / CVD / 有機金属 / プラズマ / トリメチルアルミニウム |
Research Abstract |
将来のディープサブミクロンルール超LSIでは、微細化とともに表面の凹凸が激しくなる。粒子運動をともなう物理的堆積法であるスパッタ法やバイアススパッタ法では、配線金属Alの段差被覆性を維持できなくなり、且つサブミクロンのコンタクト穴への穴埋め成膜が非常に困難になることが判明している。現在、これらの欠点を克服する技術として原子や分子の基板表面への吸着と表面反応による化学的堆積法であるCVD技術の開発が必要となっている。しかし、現在の技術のレベルでは、表面モルフォロジーや密着性等の膜質がスパッタ法よりも劣っている点もあり、早急にCVD Al膜の膜質改善を行なうことが最重要課題となっている。 我々は、原料ガス分子の均一な吸着と表面反応による高品質薄膜形成を実現するため、気相励起と表面反応を分離し、独立に制御するHybrid-Excitation CVD技術を開発し、Al成膜を行ってきた。原料ガスには、有機金属トリメチルアルミニウム(TMA)と水素を用いて、気相励起にはウェハ位置から離れたプラズマを用いている。本研究では、以下2点について研究を行い、CVD Al薄膜の表面モルフォルジー、抵抗率、結晶性等の膜質を超LSI配線金属としての実用化レベルまで引き上げる。 (1)プラズマパラメータと有機金属の励起・分解状態の関係を明らかにし、有機金属の励起・分解の制御法を確立して、表面モルフォロジーの改善を行なう。 (2)励起・分解状態の異なる分子を用いて、基板の種類や表面処理の違いによる選択成長の制御を行う。 昭和63年度では、有機金属の励起・分解制御に関して、電子密度を制御することにより、H_2/RF放電プラズマにおいてTMAをAl(CH_3)_2やAl(CH_3)の励起種へ選択的に励起・分解する技術を開発した。また、選択的に励起された有機金属を用いるとAl薄膜の表面モルフォロジーが改善された。更に、基板の種類によって成膜の選択性のでる励起種が明らかになりつつある。 以上述べたように研究は研究計画に沿って進んでおり、次年度以降の研究の見通しは立っている。
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[Publications] K. Masu; J. Sakurai; N. Shigeeda; K. Tsubouchi; N. Mikoshiba: Extended Abstract of the 20th(8th International)Conference on Solid State Devices and Materials, Tokyo, 1988. 573-576 (1988)
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[Publications] 益一哉,桜井淳,重枝伸之,坪内和夫,御子柴宣夫,竹内義尚: 昭和63年 春季応用物理学関係連合講演会 講演予稿集. 29-F-14 (1988)
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[Publications] 桜井淳,重枝伸之,益一哉,坪内和夫,御子柴宣夫,竹内義尚: 昭和63年 春季応用物理学関係連合講演会 講演予稿集. 29-F-15 (1988)
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[Publications] 益一哉,重枝伸之,坪内和夫,御子柴宣夫: 電子情報通信学会 技術研究報告. 88,No.163. 31-36 (1988)
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[Publications] 益一哉,重枝伸之,坪内和夫,御子柴宣夫: 昭和63年 秋季応用物理学会学術講演会 講演予稿集. 6-ZK-7 (1988)
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[Publications] 重枝伸之,俣野達哉,益一哉,坪内和夫,御子柴宣夫: 平成元年春季応用物理学関係連合講演会 講演予稿集. 3-W-11 (1989)