1988 Fiscal Year Annual Research Report
磁気フィルター付バケット型プラズマ源を用いた反応性プラズマ中の粒子組成の制御
Project/Area Number |
63632517
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
福政 修 山口大学, 工学部, 教授 (20026321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
崎山 智司 山口大学, 工学部, 助手 (60162327)
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Keywords | 反応性プラズマ / 磁気フィルター付バケット型プラズマ源 / 電子エネルギー分布制御 / 負イオン生成 / 壁の作用 / 粒子組成の制御 |
Research Abstract |
プラズマプロセスによる成膜過程の第一段階は電子衝突による各種イオン並びに中性励起種の生成であり、これは電子エネルギー分布の形や電子密度に強く依存している。本研究は、静かで一様なプラズマ生成が可能な磁気多極型(バケット型)プラズマ源に移動式の磁気フィルターを付加したプラズマ源を考察し、磁気フィルターによる電子エネルギー分布を中心としたプラズマパラメータの空気的制御について検討した。 1.磁気フィルターにより放電容器は空間的に2分されるが(上流側でフィラメントのあるプラズマ生成域と下流側の拡散プラズマ域)、フィルターの前後で電子エネルギー分布、電子密度、電子温度、浮遊電位等のプラズマパラメータが大きく異なることが判明した。即ち、プラズマ生成域は高速一次電子が含まれた高密度プラズマとなり(イオン・ラジカル生成域)、拡散プラズマ域は高速電子が完全に除去された低電子温度で低密度のプラズマとなっている(成膜域に適する)。 2.プラズマパラメータが大きく異なる2つのプラズマ状態域の空間的制御は、磁気フィルターの位置を変えることにより容易に行える。しかも、それぞれの領域で安定で一様なプラズマ状態が維持されているる 3.水素とアルゴンにて同様の実験を行ったが、電子エネルギー制御等については同様の結果が得られた。しかし、水素プラズマ中では多量のH^-負イオンが生成され、シース構造に違いがみられる。 4.水素プラズマ中のH^-生成量は、同一放電条件下であっても、容器壁材質の違いにより大きく異なることが判明した。これは振動励起分子H_2^*の壁での反射係数が材質により異なることに起因する現象である。 今後は反応性ガスとしてメタンを用いた実験を行い、(1)電子エネルギー分布と励起種・ラジカル種組成との関係、(2)希釈ガスの違い(負イオンの有無)と成膜過程の関係等について検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Osamu,Fukumasa: Nuclear Instruments and Methods. 37,38. 176-179 (1988)
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[Publications] 福政修: 山口大学工学部研究報告. 40. (1989)