1988 Fiscal Year Annual Research Report
オプトスペクトロスコピイによるプラズマ反応機構の基礎的研究
Project/Area Number |
63632526
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
森川 滝太郎 東洋大学, 工学部, 教授 (80191013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小室 修二 東洋大学, 工学部, 講師 (90120336)
柏木 邦宏 東洋大学, 工学部, 助教授 (30058094)
小海 秀樹 東洋大学, 工学部, 講師 (80058099)
村山 洋一 東洋大学, 工学部, 教授 (40057956)
坂本 雄一 東洋大学, 工学部, 教授 (70167427)
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Keywords | プラズマプロセシング / プラズマ発光分光分析 / ECRプラズマ |
Research Abstract |
プラズマプロセシング分野で広く用いられている反応性プラズマに関しては、ラジカルの発生・消滅のメカニズムをプラズマと壁面条件の関数として把握する必要がある。その際にプラズマに擾乱を与えない点で、オプトスペクトロスコピイは最有力な観測法である。本年度はまずプラズマ装置の制作に努力し、可視域のプラズマ発光分光分析ができる回折格子分光器を購入した。また実際の物理過程の解釈を容易にするため、補助観測装置としてラングミュア探針システム、残留ガス分析装置、電荷状態分析器を合わせて用意した。制作したプラズマ装置は、ステンレススチール放電管(直径150mm、長さ1m)を一対の同軸空心ソレノイド磁石(最大磁界3RG)の中に置いた構成に成っている。放電管はユニットチューブ(長さ276mm)から成るので、必要に応じて各部分の機能を交換できる。ソレノイドコイル対の中央に位置する部分は、オプトスペクトロスコピイ用の石英窓(直径100mm)と半径方向に移動できるラングミュア探針の装着部とを有する。放電管内の到達圧力は2台のターボモレキュラーポンプ(排気速度600l/Sおよび360l/S)によって1×10^<-9>Torrが得られる。一方の端部フランジからは円板電極を石英窓視野部に挿入できる。この電極はDCバイアス電圧あるいはRF電圧(13.56MHz)の印加によってその前面にシースを形成する。また対極部分にマイクロ波ロンチャー(2.45GHz)を設けてあるので、これによってECRプラズマ生成を行うことができる。このプラズマ装置を用いて水素のECRプラズマをミラーフィールド中で生成し、円板電極近傍に存在するプラズマに対して可視域スペクトロスコピイを実施した。水素のバルマー系列発光が観測され、その発光状況は空間的構造をもつことが明らかとなった。次年度はこの成果を踏まえて波長域を紫外にまで拡大し、より総合的にプラズマダイナミクスの解明を進める。
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