1988 Fiscal Year Annual Research Report
2つの独立したプラズマ発生源による炭化水素系プラズマ中のラジカル反応制御
Project/Area Number |
63632527
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大木 義路 早稲田大学, 理工学部高電圧工学, 教授 (70103611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 克 早稲田大学, 理工学部プラズマ工学, 助教授 (70139509)
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Keywords | プラズマ重合膜 / 反応性プラズマ / IRスペクトル / 発光スペクトル / ラジカル / グロー放電 |
Research Abstract |
プラズマCVDでは混合気体を用いて生膜することが多いが、ガスの混合比によってプラズマ自体の状態が変化することが考えられる。本研究では、異種のモノマーガスを独立に励起した後に混合する方法(独立励起)を用いて有機薄膜を作製し、プラズマからの発光特性や生成膜のIRスペクトルに関してモノマーの混合ガスを励起して成膜する場合(混合励起)と比較した。装置は半球状のガラスベルジャーに2本の枝管部を持ち、それぞれにRF電力によるキャリアカス励起部を持つ。この励起部で生成したキャリアガスのフローイングアフターグロー中にモノマーガスをそれぞれ導入し、ベルジャー内で反応させて成膜を行った。混合励起の場合には、1本の枝管部を持つ半球状ガラスベルジャーを用いて、キャリアガスのアフターグロー中にモノマーガスの混合ガスを導入した。モノマーガスにはエチレンとアリルアミンを、キャリアガスにはアルゴンを用いた。ライトガイドによって半球状ガラスベルジャーの頂部から10mm下の部分を狙って採光し、発光分光分析を行った。生成膜の分析はKBr単結晶板上に膜を堆積させてFT-IRによって行った。発光分光分析によって測定したNHラジカルの発光強度をCHラジカルの発光強度で規格化した。この比を混合励起・独立励起のそれぞれについて求めた。また、それぞれの放電条件において生成した膜のFT-IRスペクトルを求め、3000cm^<-1>付近のC-H振動と、3300cm^<-1>付近のN-H振動の吸収ピークを比較した。その結果生成した膜中におけるC-H結合とN-H結合の量的な関係は発光分光分析におけるNHラジカルの発光とCHラジカルの発光の比と正の相関を有することが確かめられた。このことを利用して、膜中への窒素導入量をモニターすることが可能であると思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Nakano;H.Hayashi;M.Fukuyama;Y.Ohki: Proceedings of 21st Sympo.Electr.Insulating Materials.223-226 (1988)
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[Publications] 山田慎,大木義路,中野俊樹: 1989年春季応用物理学会講演会. (1989)
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[Publications] Y.Ohki;T.Nakano: Proceedings of the 6th Symposium on Plasma Processing. 247-250 (1988)