1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63634005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 康夫 東北大学, 理学部, 教授 (00013483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 滋 東北大学, 理, 助手 (20154750)
山田 和芳 東北大学, 理, 助手 (70133923)
吉沢 英樹 東京大学, 物性研, 助教授 (00174912)
神木 正史 東北大学, 理, 助教授 (30004451)
池田 宏信 お茶の水大学, 教授 (90013523)
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Keywords | 中性子 / 中性子散乱 / アクチナイド |
Research Abstract |
本年度の中性子散乱研究班の活動は以下に掲げるように多岐にわたっている。 1) 特別推進科研費で購入した中性子散乱用稀釈冷凍機で恒常的に10mK以下に試料を冷却するための運転手順を整備した。この作業は世界中でもなかなか成功率が低いので、我々としてはその成功率を高くするための運転マニュアル作りを目指していて、一応成功を見た。今後は、原子炉内に運んでも問題なく実行することができるように、準備をする。Ce(CuAg)_6を用いて帯磁率の測定をして約100mK付近に異状があることを見つけた。 2) 高エネルギー磁気励起は我々の中性子散乱研究班にとっては、将来も含めて重要な研究テーマである。この目的に適したチョッパー型中性子分光器を高エネルギー物理学研究所中性子散乱施設(KENS)に設置した。本年度は装置の完成と試運転に費やされ、来年以後の本格的な研究に備えている。 3) 希土類化合物PrCo_2Si_2、TbNi_2Si_2というTh_3Si_2型単結晶の高磁場下の磁気構造相転移を研究した。この系はアクチナイド化合物と性質が酷似しているので、将来の重点領域の試料作成班から持ち込まれる単結晶を使っても同様の研究ができる。結晶場と異方性によって自由度が制限されるために、磁場をかけると非連続的にスピンフリップするために非常に複雑な磁気構造を示す。この磁気秩序状態を直接中性子回折で見ることを試みた。 4) 重い電子(ヘビーフェミオン)の代表であるCeCu_6のCuをAg・Auに置換した単結晶について引続き研究を進めている。非常に異方性の強いCeCu_6の中性子非弾性実験を行った。結果は磁化最容易軸(a^*)方向の磁気励起は準弾性散乱が強いのに対して、磁化用難軸(b^*,c^*)については、幅の広い非弾性散乱のみ観測された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Endoh: JJAP Series 1,Superconducting Materials. 1. 24-27 (1988)
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[Publications] K.Yamada: Phys.Rev.B.
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[Publications] K.Yamada: Jpn.J.Apple.Phys.27. 1132-1137 (1988)