1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63634011
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
小原 孝夫 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 教授 (70107986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 義博 姫路工業大学, 工学部, 助手 (00094532)
小堀 洋 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 講師 (10153660)
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Keywords | 重い電子系化合物 / 磁性と超伝導 / 5f電子 / U系超伝導 / NMR |
Research Abstract |
Uを含む新しい重い電子系超伝導体の作成を三つの系について行い、基本的な物性測定を調べた。その結果比抵抗は小さいものの、0.4K迄で超伝導にならなかった。系統的に数多く試みる必要がある。NMR(核磁気共鳴)実験は重い電子系であるURu_2Si_2とUPt_3について行い、いくつかの知見を得た。両者共超伝導エネルギーギャップはフェルミ面の線上で消えている異方的なものである事がわかった。ただしURu_2Si_2についてはちようど線上で消えているかどうかは広い、温度、磁場範囲にわたるNMR測定(ナイトシフト、核スピン格子緩和時間)が必要である。URu_2Si_2は超伝導とスピン密度波との共存系であり、UPt_3少しのPdの添加で反強磁性になると云われ、一般に反強磁性的スピンのゆらぎと超伝導の共存問題はこの系の超伝導発現機構の解明に非常に重要である。次の問題点は試料の質的向上である。すべての出発原試料の純度を4N以上にしなければ0.4K以下での核磁気緩和時間の測定で超伝導機構についての明確な結論は出ない事がわかり、特に高純度Uの入手が望まれる。Uを含む5f電子が主役となる重い電子系化合物は未知の部分が多く含まれておりしかもそれらが重要なものばかりなので今後活発に研究するつもりである。
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