1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63636002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
荒井 綜一 東京大学, 農学部, 教授 (20011934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 俊正 東京大学, 農学部, 教授 (00011867)
松野 隆一 京都大学, 農学部, 教授 (30032931)
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
土井 悦四郎 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (40027181)
崎山 文夫 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (40029947)
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Keywords | オリザシスタチン / 酵母イソ-ノ-チトクロムC / コメプロラミン / 酵素修飾米 / 高分子ハイブリッド制癌剤 / 押出し成型法 / 粉末状エマルション / フラクタル次元 |
Research Abstract |
本班は開発研究の技術思想として"修飾"をとりあげ、これを方法論的に異なる3つの類型に分別して研究を運営している。それぞれについての成果の要約を以下に記す。 1.生物工学的修飾法の活用 感染防御の効果をもつと期待されるコメ種子オリザシスタチンをcDNAレベルで修飾し、変異オリザシスタチンを大腸で発現させた(荒井)。パン酵母イソ-1-チトクロムCの部位指定変異によりN末端プロセシングの一般則を導んいた(崎山)。コメ種子貯蔵タンパク質については、シグナル配列の特徴の解明を通じて機能性・プロラミンを分子育種する方向を確認し(田中)、グロブリン画分の酵素修飾によってアトピー性皮膚炎を誘起しない米粒を開発した(荒井)。 2.化学的・物理的修飾法の活用 タンパク質性制癌物質の高分子ハイブリッドを素材とし、これを油脂分散状で経口投与するとリンパ管経由で体内に取り込まれることを示した(前田)。また、押出し成型法によって諸種食品タンパク質を修飾する過程で、機能性を損うことなく加圧加湿しうる条件を見いだした(土井)。 3.プロセス工学的手法の導入 機能性分子分子種を準安定状態に置き、機能性を確保する意図で粉末状エマルションの開発を試みており、単一液滴乾燥装置を作製し、被覆剤の選択を行っている(松野)。一方、食品の表面物性の評価にフラクタル次元という指標を導入した(矢野)。これを活用すれば、食物繊維のコレステロール吸着能などをフラクタル次元の関数として把えることができると予想され、新しい観点からの表面設計が可能になると期待される。
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[Publications] Keiko Abe: J.Biol.Chem.263. 7655-7659 (1988)
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[Publications] Kazuya Hashinaka: Biochemistry. 27. 5906-5914 (1988)
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[Publications] Taihei Koseki: J.Biochem.103. 425-430 (1988)
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[Publications] Masami Kumura: Proc.Soc.Exp.Biol.Med.188. 364-369 (1988)
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[Publications] A.O.Converse: Biotech.Bioeng.32. 38-45 (1988)
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[Publications] Yasuo Torikata: Agric.Biol.Chem.52. 2209-2213 (1988)