1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63637006
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 清明 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (20101983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 誠 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (40129614)
川合 陽子 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (00129727)
池田 康夫 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (00110883)
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Keywords | 血小板膜糖蛋白 / コラーゲン不応症 / GPIaーIIa複合体 / 血小板粘着異常症 |
Research Abstract |
本年度は、ごく最近、我々が発見したコラーゲン不応性血小板を有する患者血小板膜糖蛋白異常について検討したので報告する。 患者は66才、男性。血小板数は400万/μlと著増し、Ivy法による出血時間は22分と延長していた。 本例の血小板凝集能においては、コラーゲン凝集が欠如したが、他のADP、エピネフリン、リストセチンなどの凝集は欠如しなかった。コラーゲン凝集は大量(100μg/ml)を用いても、形態変化、凝集ともに全く認められなかった。コラーゲンに対する血小板粘着能はSixmaらの方法を用いて行った。患者血小板の粘着はノウェル当り0.07×10^6個(対照3.25×10^6)であり、著しく低下していた。 患者血小板をヨードにて表面標識し、Phillips らおよびO'fasrellの方法でSDSポリアクリルアミド二次元電気泳動を施行した。その結果患者血小板ではGPIaが欠損し、GPIIaが減少している事実が見出された。 モノクローナル抗体を用いての検討では、本患者血小板にはGPIaに対する抗体はフローサイトメトリー法でほとんど結合せず、GPIIaに対する抗体は約半数結合した。GPIaに対する抗体は正常であった。 また、同じ抗体を用いて、immuno izalationを行った。ヨード表面標識血小板からは抗GPIaを用いた時は何もisolateされなかった。またGPIIaに対する抗体を用いると、正常血小板ではGPIIaとIaの両者がisolateされたが、患者血小板からはGPIIaのみがisolateされた。 これらのことより、本患者では、血小板膜蛋白GPIaーIIa複合体が欠損し、血小板のコラーゲンとの相互作用も欠如していると思われた。 以上より、血小板膜のGPIaーIIa複合体はコラーゲン受容体であることが、覚床例より強く示唆された。
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Research Products
(1 results)