1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63639001
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀田 凱樹 東京大学, 理学部, 教授 (30010036)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 忍 群馬大学, 医学部, 助教授 (30092323)
野田 昌晴 京都大学, 医学部, 助教授 (60172798)
西郷 薫 東京大学, 理学部・, 教授 (50136454)
西田 育巧 愛知ガンセンター, 分子生物学部門, 室長 (50107059)
竹市 雅俊 京都大学, 理学部, 教授 (00025454)
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Keywords | ショウジョウバエ / トランスポゾン / ホメオボックス / raf / フォスクオリパーゼC / P因子 / Tom因子 |
Research Abstract |
本年度は発足第1年度であるため、各分担研究者が自己の従来の研究を、ショウジョウバエ分子生物学技術を応用して発展させるための基礎づくりを行った。東京大学の研究代表者の研究室および東京大学遺伝子実験施設をセンターとして、(1)ショウジョウバエの核手突然変異株の領布と、その利用法の指導、(2)ショウジョウバエ凍結標品の供与、(3)各種のプロブDNAの配布、(4)ショウジョウバエ関連で開催された国際会議(EMBO主催のワークショップ、コールドスプリングハーバー研究所シンポジウム、国際遺伝学会など)の情報の普及のための体制を確立した。また、たまたま来日したショウジョウバエ分子生物学の活発な研究者を招いた国際シンポジウムを、拡大班会議の形式でおこなった。これらの努力により、従来ともすると個人レベルで死蔵されていた貴重な情報が日本全国の関連する研究者に広く普及することとなったのは、偏えにこの重点領域研究のおかげといえる。 化学研究の側面でも、ショウジョウバエ研究の方法を他のシステムに応用するという本研究の目標にそって、いくつもの新しい成果を得た。それらの中には、劣性ガン遺伝子のショウジョウバエでの研究のように突然変異を多数得て、個体レベルでの遺伝子機能にすすみつつあるもの(西田)、細胞接着分子カドヘリンの分子遺伝学をショウジョウバエでとる研究(竹市)、ホメオボックス遺伝子をカイコやニワトリで分離して研究する(黒岩・鈴木)、細胞内セカンドメッセンジャーIP_3とその関連酵素フォスフォリパーゼCの突然変異の解析(堀田、井上、鈴木)などが重要である。また技術面でも、単一胚培養法(堀田)、P因子挿入突然変異誘発法(堀田)、新しい突然変異誘発トランスポゾン(西郷)、なども国際的にも大きな貢献となる研究がはじめられた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nose,A;Takeichi: Cell. 54. 993-1001 (1988)
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[Publications] Soichi Tanda;Kaoru Saigo: mol,Gen.Genetic. 214. 405-411 (1988)
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[Publications] Kayano,T;Noda,M: FEBS.Lett. 228. 187-200 (1988)
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[Publications] Nishida,Y.: EMBO.J. 7. 775-781 (1988)
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[Publications] Inoue,H;Hotta,Y: J.Biol Chem. 264. (1989)
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[Publications] Hirokawa,N: J.Cell Biol. 108. 111-126 (1989)
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[Publications] 堀田凱樹・岡田益吉編集: "シリーズ分子生物学の進歩 ショウジョウバエの発生遺伝学" 丸善, (1989)