1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヤギ成長ホルモン遺伝子の受精卵への導入と子孫における形質発現
Project/Area Number |
63640506
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
駒野 徹 京都大学, 農学部, 教授 (30026413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 正史 京都大学, 農学部, 助手 (60093316)
内海 恭三 京都大学, 農学部, 助教授 (90033266)
山野 好章 京都大学, 農学部, 助手 (00182593)
酒井 裕 京都大学, 農学部, 助教授 (60089117)
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Keywords | ヤギ成長ホルモン遺伝子 / 形質転換マウス / 受精卵への組換えDNAの導入 / 組換えDNA / cDNA / 塩基配列 |
Research Abstract |
1.家畜の分子育種をするための基礎研究として、ヤギ成長ホルモン遺伝子をマウスの受精卵に導入し、形質転換マウスを作成しようとした。 2.すでにヤギ成長ホルモン遺伝子をλファージベクター、シャロン28及びEMBL3にクローン化し、その構造解析を行った。ウシ、ブタ、ヒト、ラットで報告されている成長ホルモンと類似の構造をとり、約2kbpの長さで、5個のエキソンを有していた。 3.このヤギ成長遺伝子の上流に、重金属で誘導されるマウスのメタロチオネイン遺伝子のプロモーターを連結した組換えDNAを作成し、マウス受精卵の雄性前核に導入した。約300個の受精卵に対してこDNAのミクロインジェクションを行い、約200個のDNAを導入した卵が生存し、さらに一晩培養したところ、その中の140個が、2細胞に分裂した。これらの卵をマウスの卵管に移植して生育させ13匹の子孫を得た。 4.他方ヤギ成長ホルモンcDNAはSV40由来のプロモーターをもったオカヤマ・バーグベクターにクローン化し、その構造解析を行った。このcDNAは約880bpの長さであり、217アミノ酸をコードしていた。この組換プラスミドをHindIII処理することにより、線状分子としてマウス受精卵に導入し、15匹の子孫を得た。次に形質転換マウスを確認するために導入DNAの検出限界を調べた。一定のコピー数に対応する成長ホルモン遺伝子DNAを用いたサザンハイブリダイゼーションの結果、1コピーの外来遺伝子を導入した形質転換マウスであっても検出できる条件を設定した。子孫マウスの尾のDNAを用いたサザンハイブリダイゼーションを行ったところ、未だ形質転換マウスは得られていない。 5.今後はより多くの子孫を得て形質転換されたかどうか解析する。同時にインシュリン様成長促進因子(1GF)遺伝子のクローン化を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshiaki,Yamano: FEBS LETTERS. 228. 301-304 (1988)
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[Publications] Miki,Yato: Nucleic Acids Research. 16. 3578 (1988)