1988 Fiscal Year Annual Research Report
イノシトール燐脂質代謝を介するトランスメンブランコントロール
Project/Area Number |
63641006
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
田中 千賀子 神戸大学, 医学部, 教授 (20025571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西塚 泰美 神戸大学, 医学部, 教授 (10025546)
日高 弘義 名古屋大学, 医学部, 教授 (80100171)
大沢 利昭 東京大学, 薬学部, 教授 (40012603)
野沢 義則 岐阜大学, 医学部, 教授 (10021362)
竹繩 忠臣 東京都老人総合研, 室長 (40101315)
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Keywords | イノシトール燐脂質代謝 / トランスメンブランコントロール / プロテインキナーゼC / 受容体 |
Research Abstract |
本研究は、プロテインキナーゼCの発見以来築き上げられたわが国のこの分野における研究基盤の上に立って、トランスメンブランコントロールの分子機序の中、イノシトール燐脂質代謝を介する系にしぼって研究を推進し、細胞の刺激応答機能の総合的理解に近付こうとするものである。本年度は主に、イノシトール燐脂質代謝を介するトランスメンブランコントロールに関与する要因である受容体、G蛋白質、酵素、イノシトール燐脂質の生化学的解析が行われている。分化誘導因子、成長因子受容体(尾形)とトロンボキサンA_2受容体(藤原)の部分精製及び低分子G蛋白質の精製(大沢)に成功した。ヒト血小板膜結合性ホスホリパーゼCが精製され(野沢)、PIP_2及びPIPのモノクローナル抗体を用いた微量定量法が開発された(竹繩)。プロテインキナーゼCは極めて構造の酷似する多数の分子種の集合体であるが、その7種についてcDNAを得、その全構造を決定した。特異的抗体を作成し、各組織より分離分別した分子種との免疫化学的対応に成功した。cDNAを直接COS細胞に発現させて得た酵素との対比と合わせて、各分子種のcDNA構造と酵素蛋白質の対応に成功し、プロテインキナーゼC分子種の構造と機能の関連を解明し、化学的基盤を得た(西塚)。プロテインキナーゼCβI、βII、γサブタイプに対する特異抗体による免疫組織化学により、小脳や海馬等における特定のニューロンに特異的に発現するサブタイプを同定した。免疫電顕法を開発し、細胞内の局在の観察に成功した(田中)。プロテインキナーゼA及びCに強い阻害能をイソキノリンスルフォナミド化合物HAー1077が細胞内カルシウム拮抗作用を示すことを明らかにした(日高)。これら計画班員の研究成果は国内外の学術誌に掲載され、元成元年1月14日に東京で開催された合同班会議で公表され、公募班員を加えて情報交換を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] C.Tanaka: proc.Natl.Acad.Sci.86. 1393-1397 (1989)
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[Publications] T.Takenawa: Nature. 33. 188-190 (1988)
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[Publications] Y.Nozawa: J.Biol.Chem.263. 11459-11465 (1988)
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[Publications] T.Osawa: J.Biochem.105. 461-466 (1989)
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[Publications] H.Hidaka: Am.J.Physiol.253. C71-C78 (1987)
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[Publications] Y.Nisizuka: Nature. 334. 661-665 (1988)