1988 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化部位特異的抗体を用いたイオンチャネル制御機構の解析
Project/Area Number |
63641501
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中山 仁 北海道大学, 薬学部, 助手 (70088863)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑中 保丸 北海道大学, 薬学部, 教務職員 (30111181)
吉井 清哲 北海道大学, 薬学部, 助手 (30125364)
|
Keywords | イオンチャネル / 蛋白質リン酸化 / 部位特異的抗体 / 制御機構 / Aキナーゼ / 不活性化過程 |
Research Abstract |
イオンチャネルの膜内動態や機能の制御については、リン酸化などの細胞内代謝過程との深い関連が指摘されているが、その機序を詳細に解析したものは少ない。そこで本研究ではこのリン酸化と機能制御の相関を、最近のチャネル分子構造研究での成果と新しい電気生理の手法を結びつけた研究体勢によって推進を図ろうとする。本年度はラット脳Naチャネルについて、リン酸化部位指向性の抗ペプチド抗体を用いて電気生理学を含めたいくつかの実験によって、そのリン酸化に及ぼす影響について検討した。 1.Naチャネルの一次構造上、リン酸化を受けると推定される複数のアミノ酸配列に対応したペプチドを合成し、これを抗原として抗ペプチド抗体を作成した。 2.チャネル標品はcAMP依存性蛋白質リン酸化酵素(A-キナーゼ)によって無細胞系でもリン酸化を受けるが、作成した抗ペプチド抗体はこのリン酸化を阻害することが確かめられた。その阻害能はチャネル分子当り1モル相当であり、また阻害作用はエピトープ選択的であることも示された。 3.ラット脳より抽出したNaチャネルをコードするmRNAをツメガエル卵母細胞に発現させて、抗体分子の効果を調べると、チャネル不活性化過程の昂進を抑えることが観察された。したがって、Naチャネルのリン酸化は、チャネル不活性化過程を促進する制御機構とみなすことができる。 4.この抗体はブタ心筋のNaチャネルと推定される分子、及びウサギ骨格筋のCaチャネル分子とも弱い免疫交差性を示したが、その認識機構はエピトープ選択的ではなかった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Nakayama, H.: Peptide Chemistry 1987. 795-798 (1988)
-
[Publications] Yoshii, K.: J. Neurophysiol.59. 706-716 (1988)
-
[Publications] Hatanaka, Y.: Photomedicine and Photobiology. 10. 215-126 (1988)