1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63641503
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
多久和 陽 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60171592)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 亀次郎 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80015982)
|
Keywords | 平滑筋収縮 / カルシウムイオン / Cキナーゼ / ミオシン軽鎖キナーゼ |
Research Abstract |
1.アゴニストによる平滑筋収縮におけるミオシン軽鎖(MLC)キナーゼ及びCキナーゼの役割を検討した。ウシ気管平滑筋をカルバコールで刺激し、同一試料の等尺性張力、20キロダルトン(20K)MLC、デスミンのリン酸化を測定し、これらのパラメーター間の関連を求めた。カルバコールは持続性の収縮をひきおこす。MLCキナーゼ活性の指標である20KMLCのリン酸化は刺激開始後速やかに増加し、1分後にピークに達した後減少するが、60分後において、なお刺激前値より高い値を持続する。Cキナーゼ活性の指標であるデスミンのリン酸化は刺激直後は変化を示さず、刺激開始60分後に、約10%の増加を示す。細胞外液カルシウムの除去により、アゴニストによる収縮は著しく抑制される。この条件下で、20KMLC及びデスミンのリン酸化はともに抑制される。また、種々のCキナーゼ阻害剤のフォルボールエスラルによる収縮に対する抑制効果を検討したが、十分な抑制作用を有する阻害剤をみいだせなかった。これら一連の実験のために入手可能であったウシ(成牛)気管平滑筋は、我々が以前用いていた仔牛気管平滑筋と比較してフォルボールエスラルに対する反応性が低く、Cキナーゼを介する平滑筋収縮機構の作動が微弱であると考えられた。次にアゴニストによるCキナーゼ活性化を反映するCキナーゼトランスロケーションの測定に関する基礎的検討を行なった。フォルボールエスラル刺激により、サイトソール分画のCキナーゼは60分後に約50%減少することをみいだした。今後、フォルボールエスラル反応性の高いブタ気管平滑筋及び頚動脈平滑筋を用いて以上の検討をさらに発展させる予定である。2.最近みいだされた血管内皮の産生する活性ペプチド、エンドセリンの作用機構を培養血管平滑筋を用いて検討した。その結果、エンドセリンはCa流入を促進するのみならず、G蛋白を介してphospholipaseCを活性化することをみいだした。
|
-
[Publications] 多久和陽: Journal of Biological Chemistry. 263. 762-768 (1988)
-
[Publications] Shoshana,Paglin: Journal of Biological Chemistry. 263. 13117-13120 (1988)
-
[Publications] 多久和陽: Molecular and Cellular Endocrinology. 60. 71-86 (1988)
-
[Publications] 多久和陽: 血管. 11. 63-71 (1988)