1988 Fiscal Year Annual Research Report
腎髄質膜のPGE受容体と会合した新奇GTP結合蛋白質の電解質代謝における役割
Project/Area Number |
63641514
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八浪 公夫 京都大学, 薬学部, 助手 (30191141)
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Keywords | 腎髄質 / プロスタグランジンE / 受容体 / GTP結合蛋白質 / GTP |
Research Abstract |
研究実施計画に従い以下の研究成果を得た。 [I]PGE受容体-GTP結合蛋白質会合体の単離研究:腎髄質の^3H-PGE_1/^3H-PGE_2結合量は、GTPやGTP-γ-Sの処理により約2〜4倍増加する。増加反応を動力学的に解析すると、結合親和性(KD)の変化である事がわかった。^3H-PGE結合受容体は、^3H-PGEの結合状態が安定で、膜を6%ジギトニンで処理すると可溶化される。^3H-PGE結合蛋白の多くは高分子体(Mr=約38万)として、ゲル濾過クロマトグラフィーにより分離される。この高分子体のピークには、GTP-γ-^<35>S結合活性、GTPase活性、百日咳毒素によるADP-リボシル化活性が存在し、PGE受容体とGTP結合蛋白質との会合体としての存在が推定された。この高分子会合体を精製する目的で、WGA-アフィニティーカラム、次でDETE-トヨパールによるイオンクロマトグラフィーで活性画分を分離し、濃縮後Native acrylamideゲルによる精製を行った。その結果、分子量38万でGTP-γ-^<35>S結合活性、百日咳毒素によるADP-リボシル化されるGTP結合蛋白と会合している標品を部分精製した。本会合体の特徴は、GTP添加により^3H-PGEの結合親和性が減少しない点である。 [II]GTPによる^3HーPGE結合増強反応の解析:GTPによる^3H-PGE結合量の増加は、GTP-γ-S>GTP>>GDP=ATP、ADPである。膜をGTP-γ-Sで処理すると、百日咳毒素によるADP-リボシル化反応は減少するが、百日咳毒素で処理した膜では、GTP-γ-Sによる^3H-PGE結合増強効果は認められない。これらの事は、受容体とGTP結合蛋白質との会合状態の特異性によるものと思われる。 [III]腎細胞でのGTPによる┣D13H-PGE結合増大反応の解析:上記[1]、[2]の反応の生理的意義を明らかにする目的で、腎髄質細胞由来のMDCK株化細胞にGTP-γ-Sを注入する実験を実施しつつあるところである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 八浪公夫: Biochimica Biophysica Acta. (1989)
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[Publications] 吉村聡通: Biochimica Biophysica Acta. (1989)
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[Publications] 八浪公夫: in Abstract of 14th international Congress of Biochemistry. 94 (1988)
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[Publications] 市川厚: in Abstract of Taipei Conference on Prostaglandin and Leukotriene Research. 174 (1988)
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[Publications] 八浪公夫: 日本臨床夏季増刊. (1989)
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[Publications] 市川厚: "講座プロスタグランジン 8 PGをめぐる新物質" 室田誠逸、山本尚三, 1-408 (1988)