1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63840006
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三本木 孝 北海道大学, 理学部 (60000791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 一成 北海道大学, 理学部, 助教授 (80128579)
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Keywords | 電荷密度波 / 高純度結晶 / 3セレン化ニオブ / 気相成長 |
Research Abstract |
本研究の目的は一次元導体の典型物質である3セレン化ニオブについて、残留抵抗比500以上の結晶を試作し、高純度結晶内での電荷密度波のダイナミクスの研究の供することである。原材料の金属ニオブは東ソー(旧名:東洋ソーダ工業)新材料研究所が最近開発したものを使用した。これは、純度の典型値が99.9997%とMaterial Research Co(USA)などが発売している99.99%のものと比べてきわめて純度が高く、とくに主な不純物であるタンタルが約10ppmに減少している。気相成長に用いる金属材料の形状は箔状が望ましいが、半面では酸素濃度が高くなるおそれがある。同研究所の協力により加工形状と酸素濃度の関係を調べ、最終的に0.2〜0.4mmの厚さのものを使用することにした。さらにアウトガス処理の際のコンタミナーションを防ぐため、70ミクロンの同じ純度の箔上に材料をのせることにした。セレンは99.9999%のものを使用した。封管に用いる石英管には、不純物のFeやCuの少ないものを選んだ。しかし、製法の違いによりアルカリ金属のすくないものはOH基が多く、逆にOH基の少ないものはアルカリが多い。そのため、実際に両者を使って、検討することにした。開放端の加工と洗浄はメーカに依頼した。 材料の真空封入しにはこれまで拡散ポンプを使用していたが、本補助金により、ターボ分子ポンプを用いた真空装置を作った。ベアリングに磁気浮上を使った完全にオイルフリーのターボポンプと現有のクライオポンプを使用した。ポンプとチャンバの間のバルプには開放時のコンダクタンスの大さなものを選定した。ならし運転の後の到達真空度はターボポンプのみでは7×10^<-8>torr、クライオポンプを併用して2×10^<-8>torr程度である。現在、原材料の濃度、成長温度を制御して結晶を試作中である。
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