1988 Fiscal Year Annual Research Report
磁性不純物を含む系での超伝導近接効果の基礎的研究と新しい実用超伝導複合線材の開発
Project/Area Number |
63840008
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Research Field |
物性一般(含極低温・固体物性に対する理論)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小田 祺景 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (50029526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 洋 姫路工業大学, 工学基礎研, 講師 (10153660)
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Keywords | 超伝導近接効果 / マイスナー効果 / クーパー対の侵入 / 低温 / 新超伝導線材 |
Research Abstract |
マイスナー効果の実験については、Fe、Co、Niを含む銅合金(濃度は夫々70ppm、140ppm、500ppm)と同じ製法で作った純銅の管を製作し、それにNb棒を通してから線引した試料を製作した。この試料の交流帯磁率を20mk-10Kの間で精密に測定した。仕込み濃度は、それぞれの不純物の近藤温度と残留抵抗値を考慮して決定された。第1回目の実験では、磁性不純物を含む系ではマイスナー効果は全く観測されなかった。一方純銅の方は、我々がすでに報告したものと同じ程度の温度に依存するマイスナー効果が観測された。このため当初は、磁性不純物によってクーパー対が破壊されたものと考えた。しかし、その後の研究によって磁性不純物を含む系ではCuとNbの界面が何らかの影響を受け、クーパー対の侵入がさまたげられることが判明した。このため線引率を更に一桁あげることによって界面の密着性を改善したところ、Cuがマイスナー効果を示すようになった。又温度変化は非磁性不純物に近いことがわかった(未だ最終結論には達していないが)。わずか100ppmの磁性不純物が界面の性質を著しく変化させたことは実応線材開発のために、きわめて重要である。次に多層膜のCuのNMRの実験については、装置の準備が大体ととのい、ひとまず、非磁性の純銅とNbの多層膜を作りCuのNMRの実験をおこなった。その結果NbのTc以下においてCuの中にも超伝導エネルギー・ギャップが生じることが初めて実験的に明らかにされた。磁性不純物を含む系については次年度に実験をおこなう見通しがついたと言える。又温度計測および抵抗測定のための電流源、ナノボルトメーター等は予定通り購入し、自動化のためのリフトの開発をおこなっている。^3He-^4He稀釈冷凍機のトラブルがあり、計画がやや遅れたが2年目の計画に大きな変更はないものと思われる。
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Research Products
(1 results)