1988 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能走査型顕微蛍光分析装置の試作によるミクロ局所分析法の研究
Project/Area Number |
63840020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡崎 敏 京都大学, 理学部, 助手 (40025383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長村 俊彦 ユニソク, 代表取締役
内藤 晶 京都大学, 理学部, 助手 (80172245)
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Keywords | 走査型顕微測光法 / 蛍光顕微鏡 / 近接場走査光顕微鏡 / 走査型トンネル顕微鏡 / ミクロ局所分析法 / 生体試料の観測 / 積層型ピエゾ素子 / レーザー走査 |
Research Abstract |
本研究は、走査型トンネル顕微鏡(STM)の微小走査技術を応用して、光学探針の先端部のピンホールから試料表面の近接場に入射されるミクロ励起光を二次元走査しながら、試料の透過光や、蛍光などをホトンカウント法により高感度検出する方法である。本年度は基本的測定装置の設計、製作を中心に研究を進めるとともに、2、3のミクロ試料に応用し、さらに改良を加えた。1.光学探針の製作:石英ファイバー(400μm径)を機械研摩により先端を鋭利にして、表面にアルミニュームを真空蒸着後,その先端にピンホール(約100nm径)を開けた。2.走査ユニットの設計と製作:この光学探針をX-Y走査するためのスキャニングヘッドは、STM用積層型ピエゾ素子を十字型に4個配置してセラミックス製枠に固定して、これを到立顕微鏡のステージに固定した。生体試料の測定を目的にしている関係で、広域型ピエゾ素子を用いて視野を10μm×10μmにし、さらに拡大観測をを可能にした。検討の結果、光学探針をZ軸(光軸)方向にだけ移動可能とし、試料をX-Yに走査させる方法に改良し、また粗動機構としてマイクロメータによる位置設定を行った。3.励起光の集光:近接場照射法では、励起光が波長以下の径のピンホールを通して照射されるため、その強度は極めて弱くなる。励起光の効率を良くするために、当初の設計を変更して、ライトガイドを用いずにレーザー光を直接非球面レンズを用いて、光学チップ先端で、5μm^2に集光するように改良した。これにより約1000倍の照射光を得ることができた。4.分解能の検定:サブミクロン領域での適当な標準物が入手できなかったが、まず光ディスクの孔(0.6μm)を測定しSTMやSEM写真と比較検討した結果の0.1μm程度の分解能が得られていることが判明した。5.蛍光測定:標準試料として蛍光ラテックス(0.5〜1μm粒)の測定を行った。6.生物試料の測定:透過光測定によるドライイースト菌の測定を行い良い結果を得た。
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[Publications] S.Okazaki: Mikrochim.Acta〔Wien〕. III. 87-95 (1988)
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[Publications] T.Yoshimura: Chromatographia. 25. 781-785 (1988)
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[Publications] I.Sakamoto: J.Electroanal.Chem.246. 207-215 (1988)
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[Publications] T.Nagaoka: Anal.Chem.60. 2766-2769 (1988)
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[Publications] H.Hara: The Analyst(London).
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[Publications] I.Sakamoto: Denkikagaku. 57. 253-254 (1989)
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[Publications] 坂本一光: "溶媒とイオン" (有)谷口印刷出版部,
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[Publications] 南茂夫 編: "分析化学におけるパソコンの利用" 講談社,