1989 Fiscal Year Annual Research Report
新半導体超格子評価用の紫外・青領域超短パルスレ-ザ-と分光システムの開発
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63850001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡 泰夫 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (60013520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 弘年 石巻専修大学, 助教授 (10013533)
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Keywords | 紫外レ-ザ- / ピコ秒パルス / フェムト秒パルス / 半導体超格子 / 非線形光学結晶 / 超高速時間分解分光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光エレクトロニクス機能素子材料として、今後開発の必要なワイド・バンドギャップ半導体超格子材料を評価するための、紫外・青領域の超短パルスレ-ザ-光源と光子計測分光システムを開発することにある。今年度は、次のような研究を行った。 1.紫外、深紫外領域のピコ秒パルス光を、励起光として分光測定に用いる手法を確立した。これには、非線形光学結晶(β-BaB_2O_4およびKTP)を用いて、モ-ド同期YAGレ-ザ-の3次、4次高調波(353、266nm)およびYAGレ-ザ-で同期励起される色素レ-ザ-の2次高調波(280ー310nm)を、高効率で得る光学システムを作製した。 2.超高速時間分解分光と高分解能分光が可能な、新しい「3重分光器」を作製した。超高速時間分解分光を行うためには、光パルスの時間幅を広げる原因となる分光器内での光路差を、生じないようにする必要がある。この光路差を打ち消し高い時間分解能が得られる2重分光器と、高分解能分光の行える最終段分光器を組み合わせた3重分光器を作製した。 この新分光器と、超高速応答マイクロチャネル・プレ-ト型光電子増倍管と、高速アンプと組み合わせて、単一光子計数法による超高速発光時間分解分光測定系の確立ができた。最終段に多チャネル光検出器を導入した効率的な高分解能計測は、今後の課題である。 3.ホット・ウォ-ル・エピタキシ-法による、種々のDd_<1-x>Mn_xTeーCdTe超格子を作製し、開発された超短パルスレ-ザ-分光システムを用いて、この発光特性を測定した。これらの半磁性半導体超格子では、磁性イオンに起因する特有の磁気光学的性質があり、今後の光エレクトロニクス材料として大きな可能性があることが確かめられた。また、ZnSeの高純度バルク結晶とMOCVD法で作製された高効率発光特性を持つ薄膜の紫外域励起子発光を測定し、その過渡的時間応答を調べた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.OKA: "Growth and Optical Characterization of Bulk and Thin Film Semimagnetic Semiconductors" Abstract of 9th Int.Conf.Crystal Growth,Sendai. 387 (1989)
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[Publications] 相馬出: "ホット・ウォ-ル・エピタキシ-法によるIIーVI族化合物半導体薄膜および半磁性半導体薄膜の作製とその評価" 東北大学科学計測研究所報告. 38. 15-25 (1989)
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[Publications] H.MINAMI: "Spectra of Magneto-Photo-Conductivity of Semimagnetic Semiconductor Cd_<0.8>Mn_<0.2>Te" Solid State Communications. 72. 31-35 (1989)
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[Publications] M.TANIGUCHI: "Syncrotron Radiation Study of Fe 3d states in Cd_<1-x>Fe_xSe(0<x<0.4)" Physical Review B. 41. 3069-3073 (1990)
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[Publications] Y.OKA: "Dynamics of Excitonic Magnetic Polarons in Cd_<1-x>Mn_xTe and Cd_<1-x>Mn_xSe Studied by Picosecond Time Resolved spectroscopy" Submitted to 20th Int.Conf.Physics of Semiconductors. (1990)
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[Publications] M.NAKAMURA: "Magneto-Optical Properties of Cd_<1-x>Mn_xTe Superlattices Grown by Hot Wall Epitaxy" Submitted to 20th Int.Conf.Physics of Semiconductors. (1990)