1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
63850004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河津 璋 東京大学, 工学部, 助教授 (20010796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 宣彦 浜松ホトニックス, 研究室長
岡野 達雄 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60011219)
村田 好正 東京大学, 物性研究所, 教授 (10080467)
重川 秀実 筑波大学, 物質工学系, 講師 (20134489)
吉村 雅満 東京大学, 工学部, 助手 (40220743)
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Keywords | 低速電子回折 / 表面構造 / 画像処理 / 表面の動的過程 / 薄膜形成 |
Research Abstract |
固体表面上において、吸着過程、薄膜の形成過程の動的な研究を行うことができるように、高速で測定が可能な低速電子回折(LEED)装置の開発を行った。 装置は、LEEDの光学系、回折強度の測定系、および制御、デ-タ処理系からなっている。光学系は手持ちのものを用い、測定系と制御処理系の開発を行った。LEEDの蛍光スクリ-ン上の発光強度が弱いために、イメ-ジ・インテンシファイア-を用いて光量の増幅を行い、この出力を電荷結合(CCD)素子により測定した。測定速度をあげるために、CCDの画面の一部しか走査を行わず、しかも、必要に応じてCCDのメモリ-部から水平転送CCDへの電荷転送を1度に複数行おこなえるようにし、出力する画像情報の量は速度に応じて減少させるようにしている。フレ-ムメモリ-の容量の制限から、基板上における全体的な原子的過程の把握ができ、長時間の記録が可能なNTSC画像信号を用いたシステムと、高速の現象を撮影するためのデジタル信号による処理を行うシステムの2通りのシステムを製作した。できる限り高速の測定を行えるように、CCDカメラからの出力は、直接フレ-ムメモリ-(8MB)(NTSC方式のときはビデオテ-プレコ-ダ)に取り込み、測定後に、バックグランドの除去、回折強度の算出、回折強度の電圧依存性(IV曲線)、回折点の広がり等の形状評価等を行うようにした。これにより、620フレ-ム/sの高速で測定、記録が可能となり、CCDの原発信周波数を約2倍まであげることにより、1000フレ-ム/s以上の測定も可能となった。また、測定制御用、デ-タの処理、解析用のソフトウエアの開発も併せて行った。完成したシステムを用いて高速現象の撮影を行い、充分な性能が得られたことを確認し、シリコン基板上におけるIn原子の吸着により出現する超構造の測定を行った。本システムにより、今後の表面上での薄膜形成等の動的過程の研究の進展が期待される。
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Research Products
(1 results)